浣腸を知らない若い世代に奇抜アピール

 最近「うんこ漢字ドリル」がヒットし、人前で口に出すのははばかられる言葉が脚光を浴びているが、この風潮は同社にとっては大歓迎という。実は同社はこれまで、鳥や動物のふんから作った商品のプレゼントキャンペーンで「ウンコスメ」や「ウンチ、当たります」といった奇抜なコピーを採用。遊び心のある広告戦略が話題を呼び、業界内ではユニークな会社で知られている。

 「浣腸業界では後発で企業規模も小さかったので、かつては“無名製薬”とも言われていた。そこで、週刊誌に小さな広告を出したのをきっかけに、低予算だが記憶に残る広告にこだわってきた」(西岡社長)

記憶に残る広告を重視し、インパクトのある奇抜なキャッチコピーやユニークなイラストなどで注目を集めてきた
記憶に残る広告を重視し、インパクトのある奇抜なキャッチコピーやユニークなイラストなどで注目を集めてきた
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店頭のプロモーションツールもユニーク
店頭のプロモーションツールもユニーク
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淡路島の観光センターやドラッグストアなどに販促目的で無償提供したトイレットペーパー。「一日一便!!」「エコよりも今はウンコ」など笑えるコピーが印刷されている
淡路島の観光センターやドラッグストアなどに販促目的で無償提供したトイレットペーパー。「一日一便!!」「エコよりも今はウンコ」など笑えるコピーが印刷されている
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 ひとおし30の発売に合わせて登場したのが、ジャバラ型のヘアスタイルをしたヒーローキャラの「ひとおしくん」だ。生みの親は有名イラストレーターの花くまゆうさく氏。ひとおしくんは本社近くの道路脇の広告にも描かれ、今では同社の“看板息子”として来客を出迎える。

ジャバラ型のヘアスタイルをした同社のキャラクター「ひとおしくん」
ジャバラ型のヘアスタイルをした同社のキャラクター「ひとおしくん」
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ひとおしくんは本社近くの道路脇の広告にも描かれている
ひとおしくんは本社近くの道路脇の広告にも描かれている
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 かつては、家の常備薬だった浣腸が核家族化によって姿を消し、自宅で浣腸を体験する機会はほとんどなくなった。若者のなかには浣腸の存在自体知らない人も増えている。

 「そのせいで赤ちゃんの便秘にも浣腸するのを怖がってしまう。浣腸は最も安全で簡便な便秘治療薬であることを再認識してもらい、若い世代にも広めていきたい」と、西岡社長は訴える。

 その一環として昨年9月には便秘で悩む女性向けの特設サイトを開設。ネット通販各社のサイトにもリンクしており、使い勝手のいい新製品を試し買いする女性が増える可能性は高い。ただ、お尻に挿入することに抵抗感がある人やまったく知らない層に良さを伝えるには時間がかかる。体に関する繊細なことだけに、今後も地道な啓蒙活動が必要だ。

(文/橋長初代)