外の音が聞こえる斬新イヤホン

 左右のイヤホンにモニターマイクを内蔵し、ブルートゥースで連係したスマートフォンの音楽をワイヤレス再生するのと同時に、内蔵マイクで拾った周囲の音を聞ける。そんなユニークなイヤホンが、JVCケンウッドがMakuakeで支援を募っている「マルチライブモニターイヤホン」だ。7月中旬から募集を始め、すでに目標金額100万円を大きく超える670万円(8月6日時点)を突破している。

JVCケンウッドのプロジェクトページ。支援コースは1万5000円(税込み)。製品の発送は2017年1月予定
JVCケンウッドのプロジェクトページ。支援コースは1万5000円(税込み)。製品の発送は2017年1月予定
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マルチライブモニターイヤホンは、スタジオブラック、インディゴブルー、ヴィンテージブラウンの3色で、高級感のあるデザイン
マルチライブモニターイヤホンは、スタジオブラック、インディゴブルー、ヴィンテージブラウンの3色で、高級感のあるデザイン
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首の後ろにバッテリーや音声処理回路などを収めた本体ユニットがくる形
首の後ろにバッテリーや音声処理回路などを収めた本体ユニットがくる形
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 この斬新イヤホンの企画は、JVCケンウッドで新規事業を担当する有志を中心としたブレインストーミングから生まれた。従来、イヤホンは遮音性や音漏れ防止など、音楽の世界に没頭するための“内に閉ざす開発”が主流だった。しかし、メンバーで自由に意見を交わすと、「実は電車のアナウンスなど音楽を聴いているときに周囲の音が聞こえないのは不便とか、コンビニの買い物でいちいちイヤホンを外すのは面倒など、さまざまな意見が集まった」(JVCケンウッド)という。自身でバンド活動を行う音楽好きの社員も多いため、周りの音が聞こえれば好きなアーティストの演奏を聴きながら“バーチャルセッション”ができるなどの発想も生まれ、アイデアを形にする機運は一気に盛り上がった。

 ただ、このような斬新なイヤホンに市場性があるかどうか容易には見極めがつかず、商品化に踏み出しにくい。従来通り市場調査をすれば企画に賛同する声は集まるだろうが、実際に買ってもらえるかどうかはまた別の話だ。そこで目を付けたのが、クラウドファンディングの仕組みだったという。

 7月のプロジェクト開始に向けて、今春からマルチライブモニターイヤホンの基本設計を行い、仕様を検討。デモ機も試作した。この過程で苦労したのが、イヤホンの小さい筐体にドライバーユニットとマイクを格納する構造のため、いかにハウリングを抑えるかという点だ。そのために、「ドライバーユニットの制振性を高めた専用設計にし、密閉感を高めてハウリングを抑える工夫をした」(JVCケンウッド)という。

 加えて、左右のイヤホンにつながる本体ユニットを設け、そこでスマホからの音楽とマイクで拾った周囲音のミキシングをし、両方の音がズレなく聴ける仕組みにしている。スマホとはブルートゥース接続のため、ハイレゾ再生にこそ対応していないが、音質面で不満を憶えることは少なそうだ。

イヤホン部分には、原音を忠実に再現するワイドレンジドライバーユニットを搭載。外側にモニターマイクも備える
イヤホン部分には、原音を忠実に再現するワイドレンジドライバーユニットを搭載。外側にモニターマイクも備える
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専用の無料アプリでスマホからの音楽と、マイクで拾う周囲の音のバランスを細かく調整できる。マイク音をオフにすることも可能
専用の無料アプリでスマホからの音楽と、マイクで拾う周囲の音のバランスを細かく調整できる。マイク音をオフにすることも可能
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 また、本体ユニットにはリチウムポリマー充電池を内蔵。当初、駆動時間は連続5時間以上を目指すとしていたが、「支援者からの要望が多かったため、駆動時間を長くできるよう仕様を再検討している」(JVCケンウッド)という。

 このマルチライブモニターイヤホンの一般販売は、まだ未定。そのため、マクアケで“先物買い”しておくのも手だろう。