海老のビスクで30代女性をつかんだ

 それにしても、ポッカサッポロが海老のビスクをここまで前面に押し出すのはなぜだろうか。

 「海老のビスクは粉末箱入りの中では3番目に売り上げが大きい」とポッカサッポロ広報は話す。発売当初こそ好き嫌いが分かれる商品だったが、その後競合他社から発売が相次ぎ、インスタントスープの定番として認知されるようになった。現在は粉末箱入りのカテゴリーでコーンポタージュ、クラムチャウダーにつぐ人気商品になっているが、売り上げを引っ張るのは30代女性だという。

 じっくりコトコトの購買層はカップが20代から30代と比較的若いものの、缶は30代から40代、粉末箱入りは40代以上と、比較的年齢層が高かった。しかし、海老のビスクを投入してから、粉末箱入りの購買層が30代女性にも広がったという。

 レトルトのターゲットは一人暮らしの若い女性や二人暮らしの夫婦。そして缶もこれまで獲得できなかった女性層を狙いたいということもあって、30代女性に受けが良かった海老のビスク味を、今年のじっくりコトコトの中心に置いたということだろう。

価格よりブランドとしての価値を追求

 2016年の売り上げ目標はじっくりコトコト全体で前年比100%と決して高くない。実はじっくりコトコトは年々ブランド全体の売り上げが伸びており、2015年は2006年と比較して約220%の販売実積。これにはカップの売り上げが大きく起因しているが、「無駄な出費は抑える一方で、少々高くても質が良いものを消費者が求める傾向に変わってきたのも影響しているのではないか」(ポッカサッポロ)と分析している。

現在はカップ5.5割、缶3割、粉末箱入り1.5割の構成比。「レトルトは1割の構成比を目指す」(ポッカサッポロ)
現在はカップ5.5割、缶3割、粉末箱入り1.5割の構成比。「レトルトは1割の構成比を目指す」(ポッカサッポロ)
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陳列棚などで食シーンの提案も行うという
陳列棚などで食シーンの提案も行うという
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(文/樋口可奈子)