【勝ち組1】小林製薬の戦略は「分かりやすさ」

 一方、インバウンド市場を広げるために、メーカー側はどんな戦略を仕掛けているのか。勝ち組といえる2社を取材すると、ヒットの要因は「従来路線の踏襲」と「インバウンド市場の積極的な展開」という、正反対ともいうべき戦略が見えてきた。

 まず前者の例から紹介しよう。「神薬12」のうち、実に5商品を占めたことで脚光を浴びた小林製薬。同社の戦略を一言で表すと、「分かりやすさ」だ。パッケージの絵を見れば、その商品が何であるかが一目瞭然。日本語が読めなくても商品概要はつかめるので、外国人観光客も手に取りやすい。

 大手があまり手を出さないニッチな市場を開拓しているのも強み。例えば発熱時に額に貼る冷却シートの「熱さまシート」は、同社がこのジャンルの商品の先駆けとなった。ただ、「ニッチな分野にファーストインしたとしても、商品がおろそかではユーザーは振り向かない。あくまでも目が厳しい日本人に売れるものを提案していくことが大事」(小林製薬)という。

 ただ、偶然にも中国の生活事情をカバーしたことで、「神薬入り」した商品もあった。それが傷口をカバーして守る「サカムケア」だ。中国では水質事情が悪いところがあり、手荒れの原因にもなっている。「手を保護するためにサカムケアを購入する人が多い」(同社)。

 独自性の強い商品づくりという従来路線を進んできた結果、インバウンド市場の開拓にもつながった小林製薬。今年発表した新商品でもその路線は変えていない。「日本人に売れない商品は中国人にも売れない」。このぶれない姿勢こそが、神薬入りという“特需”につながったのだろう。

勝ち組【1】小林製薬
大気汚染から肺を守る薬も登場
次の「神薬12入り」は現れるか?

 新市場の開拓に定評がある小林製薬が「第2の神薬候補」といえる新戦力10商品を“提案”。「日本人をターゲットに作った商品」とはしながらも、気管支の汚れを改善する「ダスモック」は大気汚染が深刻な中国での需要も見込める。また、中国の健康志向の高まりから、納豆関連のサプリも期待大だ。
第2の神薬候補はこれ!
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