セブンにしては控えめな味!?

 トム・ヤム・クンを食べてみたが、真っ赤な見た目に反してそこまでの辛さはなかった。ココナッツミルクの甘さも手伝って、辛いものが苦手な人でも食べられそうな味だ。日本人には苦手な人も多いパクチー(香菜)も生のまま入っているが、ひと切れなのでそこまで主張は強くない。飲食店レベルの本格的な味を売りにしているセブン-イレブンにしては、やや控えめな味付けという印象だ。 

「トム・ヤム・クン」(330円)。トマトやしめじなどの野菜入り
「トム・ヤム・クン」(330円)。トマトやしめじなどの野菜入り
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 牛肉と野菜のフォーも同様。アジア料理の定番ともいえるスパイスの風味はそれほど前面に出てこず、牛独特の臭みも感じられなかった。マイルドな味で万人受けしそうではあるが、本格的なエスニックの味を期待した人にはやや物足りないかもしれない。

「牛肉と野菜のフォー」(298円)。タマネギや肉などの具が多く、食べ応えがある
「牛肉と野菜のフォー」(298円)。タマネギや肉などの具が多く、食べ応えがある
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冷たいそばの代わりにスープを食べてもらいたい

 新商品のスープ2品について、主に女性をターゲットにしたものであるとセブン-イレブンは説明する。

 この数年、セブン-イレブンは、「ごろごろ野菜とソーセージのポトフ」「自家製餃子の中華スープ」などに代表される具材入りスープの売り上げ強化に取り組んでいた。その理由は、スープの主な購買層がこれまでセブン-イレブンが苦手としてきた20代から40代の女性だからだ。「店舗利用者の男女比はほぼ5対5に近づいてきたが、チルド部門は男性がまだ中心となっており、デザートに至っては購買層の7割が男性だ。そんななか、スープは女性客が6割にも上る」(セブン-イレブン・ジャパン商品本部 FF デイリー部の三好崇司氏 )という。

 「昼ご飯や夜食用におにぎりやパンと一緒に買い求める女性が多い」(三好氏)ということで、ランチタイムや夜間というピークタイムに女性客を取り込みたいセブン-イレブンにとって、スープはぜひ力を入れていきたい分野なのだろう。だが、スープはどうしても冬に比べて春以降は売り上げが伸び悩み、夏場の売り上げは半ば諦めかけていたという。そんなとき、市場調査を行ったところ、専門店やインスタント商品など、スープ市場全体は暑さ寒さに関係なく安定しているということが分かった。

 暑い時期に、どうやってスープをアピールしていったらよいか。セブン-イレブンは酸味や辛みがあるものは真夏でも食べやすいのではないかと考え、トム・ヤム・クンと牛肉と野菜のフォーを開発した。

「辛いものだけで2品となると、消費者にとっては面白みがない。夏バテで食欲がなくなる真夏のランチタイムは、今まで冷たい麺を買っていたという人も多かった。そんな人に、さっぱり、あっさりとした味わいのフォーを食べてもらいたい」(三好氏)。