花王は、新しいエッセンシャルのシャンプー&コンディショナーを発表した。従来の速乾技術との相乗効果によりドライヤーで髪を乾かす時間が約20%も短縮できる新技術の「Auto Separation Technology(オート・セパレーション・テクノロジー)」を開発し、同製品に採用。一般的に傷み補修に使われる油性の潤滑剤ではなく、水溶性潤滑剤を配合する。速乾以外にも「ハネや寝ぐせがつきにくい」シリーズなど、髪の手入れの悩みに応じた計4タイプを展開し、8月11日から発売する(スマートブロードライは7月4日からオンライン限定で発売中)。

リニューアルしたエッセンシャル。左からハネや寝ぐせを抑制する「スマートスタイル」、低温でもカールが決まる「スマートアレンジ」、早く乾く「スマートブロードライ」、パサつきやまとまりにくさを解消する「スマートリペア」
リニューアルしたエッセンシャル。左からハネや寝ぐせを抑制する「スマートスタイル」、低温でもカールが決まる「スマートアレンジ」、早く乾く「スマートブロードライ」、パサつきやまとまりにくさを解消する「スマートリペア」
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あっという間に髪が乾く&70度でもカールが作れる

 ダメージ補修を前面にブランド展開してきたエッセンシャルが、今回の全面刷新に際して参考にしたのが女性たちの“生の声”だった。従来は髪質に関する悩みをアンケート調査し回答を製品開発に反映してきたが、今回はSNSなどで髪の悩みに関するつぶやきを拾い上げ、「とにかく効率的にラクな手入れできれいになりたい」という本音に行き当たったという。

 「忙しい女性たちは仕事の場面、母として、女性としてなど役割が多重的でいつでも社会とつながっている状態。美容器具や化粧品でもどれだけラクして高い効果が得られるかを追求した商品が支持されている」と、花王ヘアケア事業部ブランドマネージャーの小林恵美氏は今回のブランディングの背景を語った。

 新しいエッセンシャル・シャンプー&コンディショナーは、髪の手入れのストレスに関する調査で上位を占めた、「ドライヤーに時間がかかる」「カールをうまく作れない」「夜乾かしても朝には寝ぐせがつく」「髪がパサつく」という悩みに応じた4タイプで展開する。

 「忙しい女性に向けて、いかに面倒を省き、効率的にきれいな髪にするかを主眼において開発した」と、小林氏は話す。

 「スマートブロードライ」は速乾のシリーズ。ドライヤー時の熱や摩擦から髪を守って早く乾かす。実証動画では、ロングヘアの髪が従来品では7分24秒で乾いたのに対し、5分24秒でサラサラに乾き、ドライヤーの時間が2分短縮された。「夏の暑い時期のドライヤーを疎んで生乾きで妥協している人も多いが、生乾きはダメージのもと」(花王広報部の亀田紀枝氏)という。

モデルを使ったデモンストレーション。右半分を新技術ありの商品で洗髪している。冷風を使用しても、開始約1分で髪がばらつき風になびくほど乾いてきた
モデルを使ったデモンストレーション。右半分を新技術ありの商品で洗髪している。冷風を使用しても、開始約1分で髪がばらつき風になびくほど乾いてきた
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 「スマートアレンジ」は熱でスタイリングがしやすくなるシリーズ。通常、髪の毛をカールさせるときは、ヘアアイロンやコテを150~180度の高温に温めて使用することが多いため、髪のダメージにつながる。スマートアレンジで洗髪すると、70度のアイロンでもきれいなカールが簡単に作れるという。

「低温できれいなカールが作れるため、髪のダメージ自体が生まれない」(花王ヘアケア研究所主任研究員の渡邊俊一氏)
「低温できれいなカールが作れるため、髪のダメージ自体が生まれない」(花王ヘアケア研究所主任研究員の渡邊俊一氏)
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枕にこもった水分がハネの原因

 「スマートスタイル」は、ハネや寝ぐせを防ぐ効果がある。頭部に汗や湿気などの水分がこもることが原因のため、髪に水分が浸透しづらくなるよう工夫したという。

髪を縛ったまま8時間置き、ほどいた状態。右がスマートスタイルで洗髪した髪で、ほとんどくせがついていない
髪を縛ったまま8時間置き、ほどいた状態。右がスマートスタイルで洗髪した髪で、ほとんどくせがついていない
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 「スマートリペア」は、傷みでパサつきやまとまりにくさを感じる髪を補修する。「キューティクルの表面を整えて、洗うだけで絡まる髪がするするほどける」(花王)という。

悩みに共通する原因は「髪の絡まり」

 4タイプすべてに採用したのが花王独自の新技術「オート・セパレーション・テクノロジー」だ。実は4つの悩みに共通するのが「髪の絡まり」だという。そこで、オート・セパレーション・テクノロジーでは、従来の潤滑剤に水溶性の潤滑成分を配合した。油分と水分のバランスや分子の大きさなどを改良して、絡まった部分にも潤滑成分を行き渡らせて自然に絡まりがほどけるようにしたという。

水溶性潤滑成分が1本ずつ保護するため、水にぬれたままくしを通してもスムーズにほどける
水溶性潤滑成分が1本ずつ保護するため、水にぬれたままくしを通してもスムーズにほどける
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   とはいえ、水溶性の潤滑成分は、水と一緒に流れてしまう。そのため、これまでは油性の潤滑成分を使っていた。水溶性潤滑成分を髪の表面に薄くとどまらせ、髪の摩擦を低減できる今回の新技術はこのような背景において画期的だと花王は胸を張る。

「水にぬれると髪はガシガシと摩擦が大きくなってしまう。新技術で1本ずつ保護することで髪がばらつき、ぬれても摩擦が少なくなる。キューティクルのことを理解しているからこそこの技術に行き着いた」(亀田氏)。

 「10万本の髪1本1本に有効成分を浸透させることができ、速乾、熱スタイリング、ハネ寝ぐせ抑制、ダメージ修復といったそれぞれのケア成分の効果もアップすることができた」(渡邊氏)という。

花王ヘアケア研究所主任研究員の渡邊俊一氏
花王ヘアケア研究所主任研究員の渡邊俊一氏
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20~40代の女性がターゲット。「女性の就業率は7割を超えている」(花王ヘアケア事業部ブランドマネージャーの小林恵美氏)
20~40代の女性がターゲット。「女性の就業率は7割を超えている」(花王ヘアケア事業部ブランドマネージャーの小林恵美氏)
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 キューティクルを長年研究してきた花王だからこそ行き着いた水溶性潤滑剤を用いた新技術が、忙しい女性の救世主となれるか。

(文/北川雅恵=日経トレンディネット)

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