甘口、中辛、辛口の味の差がなくなっていた?

 今回のリニューアルのもうひとつのポイントは、甘口、中辛、辛口の特徴をそれぞれはっきりさせたことだ。きっかけはリニューアルプロジェクトを進める中で行ったグループインタビュー。「中辛と他の味との違いが分かりにくい」という参加者からの指摘だった。

 そう感じる理由について検証したところ、原因の一つとして、紅玉からふじに切り替えたことで酸味が抑えられ、甘みが増していたことが分かった。さらに、「ユーザーの好みも変化し、甘みやうまみを重視するようになっている。3つの味それぞれを消費者に好まれる味に近づけていった結果、はからずも味が似てきてしまったのかもしれない」(小嶋課長)。

 そこで今回のリニューアルでは、従来の味のベースは守りながら、甘口にはハチミツとリンゴ酢を、辛口にはコチジャンと豆板醤を加えて、それぞれの味の特徴をはっきりと際立たせた。ユーザーからの支持が多い中辛はニンニクなどでうまみとコクを強調したが、従来品と味はあまり変えていないという。「年齢を重ねると甘口から中辛に好みが変化することが多いが、辛口好みの人はずっと変わらないことが多い。リニューアルしたことにより、辛口を好む“焼き肉の大人マーケット”を拡大するきっかけになるのではないか」と、同社の丹羽真介 マーケティング部長は話す。

 味の大幅なリニューアルに伴い、容器も見直した。これまでもキャップやラベルなどの改良を重ねてきたが、世帯人数の減少、共働き世帯、シニア世代の増加といった社会の変化に合わせて、サイズの見直しを行った。大きなポイントは400gを廃止して360gにしたこと。容量を減らしたことで開封後に早めに使い切れるようにしたのだ。また、仕事帰りにスーパーで購入するユーザーにとってはびん容器は重いのではないかと考えたこと、流通からも「ケースを持ち上げにくい」という指摘を受けたことから、360g以上の3サイズには今回からペットボトルを採用している。

左から210g、360g、480g、590g(全て中辛)。リニューアルに伴い400gの生産を中止し、360gと480gを追加した。360gと480gは持ちやすいように中央にくびれのあるデザインに変更している
左から210g、360g、480g、590g(全て中辛)。リニューアルに伴い400gの生産を中止し、360gと480gを追加した。360gと480gは持ちやすいように中央にくびれのあるデザインに変更している
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左は従来品。黒地に白と黄色の文字が読みにくいとの声があったので、リニューアル後は白地で読みやすいユニバーサルデザインフォントに切り替え、注意表記をアイコン化した
左は従来品。黒地に白と黄色の文字が読みにくいとの声があったので、リニューアル後は白地で読みやすいユニバーサルデザインフォントに切り替え、注意表記をアイコン化した
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