「ゆでなきゃいけない」そうめんより、「チンして食べられる」冷凍うどんが人気!?

 「ここ2~3年はバラエティーめんつゆの伸びがいったん落ち着いていたが、2015年くらいからまた伸びてきていて、今年の4・5月は前年同月より伸びている」(キッコーマン食品)。同社では特に具麺ソースシリーズが好調で、2016年2月の発売から5月までで、前年比の約2倍を記録しており、今後もさらなる伸びが期待されているという。

 パッケージにうどんを採用している理由はズバリ、家庭での冷凍うどんの常備率のアップだという。「調査によって、家庭での冷凍うどんの常備率が上がっていることが分かった。うどんがここ数年で外食店が増えて身近なメニューになっているのに加え、電子レンジで加熱するだけで食べられる冷凍うどんの簡便さが受け入れられたのが要因ではと推測している」(キッコ-マン食品)。たしかに猛暑のなか、大量の湯を沸かしてそうめんをゆでるのは主婦にとってかなりの“苦行”だ。

 うどんは家庭での常備率が高い一方、家庭では希釈用のめんつゆで食べている人が大半で、食べ方についてのバラエティー化の提案が多くない。そこに着目したのが日本製粉。「オーマイブランドで培ったパスタソースのノウハウを生かし、うどんに合うバラエティーつゆ『オーマイ うどんつゆかえてみませんか?』を開発した」(日本製粉)という。

 エバラ食品もまた、うどんつゆ商品のバラエティーの少なさに着目。「うどんへの需要の高まりが見られている一方、個食に対応した専用調味料は決して多くない状況。当社では2013年8月に発売した『プチッと鍋』で、“人数、シーンを選ばず、いつでも手軽に好きなメニューを楽しめる”という価値を提案してきたが、うどん用調味料としてもこの価値を実現できると考えた」(エバラ食品)。

 ミツカンは、麺と具材をつゆで混ぜて絡め、一緒に食べる新しい麺のスタイルとして「まぜつゆ」を提案。近年、チョップドサラダ、油めん、混ぜそばなど、“混ぜる”“あえる”スタイルが人気を呼んでいることに着目したという。「特にうどんに合うように設計しているわけではない」というが、パッケージの写真にうどんを多用しているのは、ほかの理由もあるようだ。

 「めんつゆの売り場が立ち上がるのは4月だが、そうめんは季節感が強い商品で、4~6月はなかなか動かない。そうめんほど季節感が強くなく、年間を通して食べられているうどんをプッシュするのは、立ち上げ期の売り場を活性化する意味もある」(ミツカン)。盛夏になればやはり食べやすいそうめんに手が伸び、パッケージにあえてそうめんの写真を入れなくても勝手に売れていくということなのだろう。“立ち上げ期のうどん押し”作戦が功を奏したのか、直近3カ月の売り上げは4品合計で計画比1.6倍程度と好調だそうだ。

 各メーカーの“うどん押し”の背景は分かったが、バラエティーつゆとうどんの相性はどうなのか。スーパーで目についたものを買い求め、食べてみた。

ミツカンでは、パッケージでさりげなく中華めんにも合うことをアピール
ミツカンでは、パッケージでさりげなく中華めんにも合うことをアピール
[画像のクリックで拡大表示]
「まぜつゆ 鶏塩レモン」パッケージの裏面ではアレンジメニューとして中華めんを使った冷やしめん「ツナときゅうりのまぜそば」を提案
「まぜつゆ 鶏塩レモン」パッケージの裏面ではアレンジメニューとして中華めんを使った冷やしめん「ツナときゅうりのまぜそば」を提案
[画像のクリックで拡大表示]