若者を引きつける“YouTube映え”の舞台

 有名ユーチューバー以外に、10代の若者やそれ以下の子供たちを引きつけているのが展示エリアである。

 エリアの中央に、キッズ向けのエンターテインメント・ブランド企業のニコロデオンが巨大なブースを備えていた。ニコロデオンは米国で人気の「スポンジ・ボブ」などのアニメで知られる企業だ。ビドコンの常連企業で、ポップな色合いのアスレチックを走破する体験型のゲームなどを提供し、常に若者が行列をなしていた。同社のキャラクターをいたるところにちりばめており、若年層へのブランディングが目的のようだ。

ビドコンの中心的な出展者であるニコロデオンのブース
ビドコンの中心的な出展者であるニコロデオンのブース
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 展示会場には企業が用意した“YouTube映え”するブースが多数あり、若者達がプロのユーチューバーのようにお互いに撮影し合っていた。フェイスブックは「いいね!」や「すごいね!」のアイコンを背景にしたブース、レゴはLEGOブロックで作ったブースを用意し、多くの来場者が動画を撮影してシェアしていた。

フェイスブックはさまざまなアイコンの撮影ブースを用意した
フェイスブックはさまざまなアイコンの撮影ブースを用意した
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 このほか「M&M'S」や「SNICKERS(スニッカーズ)」などのチョコレート製品で知られる米マーズや、音楽専用チャンネルの「MTV」など、たくさんの消費者向けブランドが出展。ノベルティを配ったり、撮影ポイントを提供するなどして賑わっていた。

大手メディアが開催権を獲得

 実はビドコンを主催するのは米ユーチューブではなく、その親会社の米グーグルでもない。イベント名と同じビドコンという企業が手掛けており、今回で9年目となる。今年2月にはその影響力に注目した米メディア大手のバイアコムがビドコンを買収したが、独立して運営している。ちなみにニコロデオンはバイアコムの傘下で、従来からビドコンの中心的な出展者である。

 ビドコンの来場者の層は大きく3つに分かれる。ここまで紹介してきたユーチューバーやそのファンであるユーザーの「コミュニティ」、映像関連の「クリエイター」、マーケターなどビジネスパーソンの「インダストリー」である。なかでも若者が多く、盛り上がっているのがコミュニティのゾーンである。

 今回はコミュニティのユーチューバーを中心に紹介したが、次回はクリエイターについて紹介していく。キヤノンや米アドビなど、「ユーチューバー市場」にいち早く目をつけた企業が次なる施策を打ち出してきた。

(写真・文/市嶋洋平=シリコンバレー支局)