変わる原付バイクの位置づけ

 もう少し原付バイクについて述べておく。

 排気量が50ccに制限されていることで税金が非常に安く、誰でも乗れ、利便性の高い原付だが、一方で原付の特殊性も目立つようになっている。30km/h制限という最高速度の制限があるため、交通の流れに乗りづらい。フルパワーで頑張れば乗れなくもないが、常に速度違反を犯していることになる。交差点では二段階右折が必要で、2人乗りもできない。こうした点を考えると、時代に取り残されているのも確かだ。

 少し前までは、その扱いやすさから原付には入門用バイクという存在意義があった。50ccでバイクの運転を覚え、250ccや400cc、さらに大型のバイクに乗り換えていくというステップアップのフローがあったからだ。ところが最近は、入門用に50ccの原付を買うバイクユーザーはあまりいないらしい。

 「欲しいバイクがあれば、最初からそのバイクを買われます。若い人には『YZF-R25』などが人気ですね」(ヤマハ 広報担当)というのだ。

 入門用という意味でも、原付の存在意義は下がっている。

人気のヤマハ「YZF-R25」。スタイリッシュでパフォーマンスも高いが、乗りやすく作られている。昔のレプリカモデルとは違う
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ホンダの大型ネイキッド「CB1300 SuperFour」。巨大なバイクだが驚くほど乗りやすい。免許を持っていて、またがってみて足さえつけば、いきなり乗っても大丈夫
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 さらにこのクラスでは、エンジンで走る原付バイクが減るにつれて、電動バイクが主流になる可能性がある。すでにホンダ「EV-neo」、ヤマハ「E-Vino」などが販売されており、モーターショーでは電動バイク(関連記事)のコンセプトモデルの出展が相次いでいる。

 まだフル充電での走行距離が短いといった課題はあるが、近所への買い物や駅までの通勤といった用途なら十分なレベルだろう。実際にのってみると、エンジンの爆発によるトルク変動がないためか、小回りが利くのが印象的だった。電動バイクは可能性の高いのりものだと思う。

ホンダの電動バイク「EV-neo」。現在はリース販売専用車。二輪のクラスとしては、原付(50cc)とほぼ同じ
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ヤマハの電動バイク「E-Vino」。価格は21万9000円。1回の充電で約29km走行できる
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