バイクの販売数は30年で年間300万台から16万台に減少

 何より大きいのは、原付が使われているのが日本だけという点だ。

 「110~125ccクラスはアジアでメジャーな排気量です。台数だけでいうと、50ccの10倍、20倍という単位が販売されています」(ホンダ 広報担当)

 欧州でも125ccクラスは軽量クラスとして認知されており、ベスパやアプリリアなど、排気量110~125ccのモデルを得意とするメーカーもある。

 1980年代前半、年間300万台ものバイクが日本で売れたが、その大半を占めていたのが50ccの原付バイクだった。それが今は年間16万台まで落ち込んでいる(日本自動車工業会調べ/2016年)。

 300万台は異常な数字だとしても、16万台では量産効果も確保しづらいだろう。しかも、身近なのりものであるべき原付なのだから、価格を上げるわけにはいかない。例えば、排気ガス対策がきちんと施されたごく普通の原付スクーターが40万円で売られたとして、それをあなたは買うだろうか?

左の図は2016年の排気量別販売台数と構成比。右はここ10年の二輪車販売台数の推移。排気量50cc以上の販売台数は微増だが、50cc以下は減少していることが分かる(出展:日本自動車工業会)
左の図は2016年の排気量別販売台数と構成比。右はここ10年の二輪車販売台数の推移。排気量50cc以上の販売台数は微増だが、50cc以下は減少していることが分かる(出展:日本自動車工業会)
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 市場は多少異なるものの、電動アシスト自転車の台頭も無視できない。運転免許もヘルメットも不要で、座席を備えたモデルなら2人乗り・3人乗りも可能だ。駅前の駐輪場もバイクより自転車のほうが安いはずだ。短距離なら、原付バイクよりも電動自転車のほうが便利なことも多い。

 皮肉なことに、この電動アシスト自転車を開発し、一般に認知させたのは数々のバイクを生み出してきたヤマハなのである。

電動アシスト自転車といえばヤマハの「PAS」。日本の法規では、動力のついたのりものは基本的に免許が必要と定められているが、それを覆したヤマハの努力に拍手
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