2017年3月に開催された東京モーターサイクルショー。ここでのホンダ(本田技研工業)ブースでのプレスカンファレンスで、バイク業界やユーザーは不意打ちを食らうことになった。「モンキー」の生産終了が発表されたのだ。
50年続いたモンキーが生産終了
モンキーは多くの人に知られた原付(第一種原動機付き自転車、エンジンの排気量が50cc以下)バイクだ。1967年に発売され、2016年末時点の累計生産台数はシリーズ全体で約66万台にのぼる人気車種。それだけに50年も生産が続いたモンキーがなくなるというニュースはファンや関係者にとっては衝撃的なものだった。
背景にあるのは、2016年にスタートした新しい排出ガス規制の「平成28年排出ガス規制」。かなり厳しいものであることは知られていたが、その影響でまさかあのモンキーが生産終了になるとは、思われてはいなかった。これをきっかけに、新しい排ガス規制が急に生々しく、現実味を帯びて伝えられるようになったり、「原付バイクはなくなるのでは?」とあちこちでささやかれ始めたのである。