ユニー・ファミマの狙いは「GMS事業の再生」か

 ユニー・ファミマ側の狙いは何か。それは、ユニー・ファミマ発足時から大きな課題となっていた、ユニーが展開するGMS(総合スーパー)事業の再生だろう。

 ユニー・ファミマのコンビニ事業は3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスが統合することによって店舗数が約1万8000店となり、約1万2000店のローソンを抜き去り、業界トップのセブン-イレブン(約1万9000店)に肉薄している。

 一方、ユニーとファミリーマートとの統合メリットは当初から見えにくかった。GMSは衣食住の生活必需品をフルラインで展開することでワンストップショッピングの利便性を提供する業態。だが、消費者ニーズの多様化に対応した専門店の台頭、ユニクロやニトリといったSPA(製造小売業)の出現により、GMSは不振にあえいでいる。GMSの先駆企業だったダイエーはイオンの完全子会社となり、イオンリテールやイトーヨーカ堂も一時、営業損失を計上するなど状況は厳しい。ユニーの業績も停滞が続いている。

 そんななか、GMSの長崎屋を「MEGAドン・キホーテ」として再生したドンキから提携の声がかかったというわけだ。

ドンキはGMSを「MEGAドン・キホーテ」として再生

 ドンキは2007年に会社更生法が終結したGMSの長崎屋をグループ傘下に収め、2008年から店舗を「MEGAドン・キホーテ」へ業態転換する改革を開始した。創業当初から居抜き出店を得意としていたドンキだが、長崎屋の再生で店舗面積が大きいGMSの再生ノウハウを確立する。

 MEGAドン・キホーテは若者・カップル層をターゲットにしたドン・キホーテに対し、顧客ターゲットを主婦・ファミリー層に拡大。ドンキが得意とするコスプレグッズなどのアミューズメント性が高い商品と、GMSの強みである衣食住の実用品、生鮮食品を含む食料品、日用品を展開した。買収初年度である2007年の長崎屋は売上高1200億円、営業損失50億円だったが、2011年には売上高1244億円、営業利益7億円とV字回復を果たした。

 MEGAドン・キホーテの売り場面積は8000~1万平米、アイテム数は6万~10万だ。近年は売り場面積3000~5000平米、アイテム数4万~8万と中型の「NEW MEGAドン・キホーテ」も出店している。一方、ユニーが展開するアピタとピアゴの店舗面積は、3000~1万平米程度であり、MEGAドン・キホーテが出店しやすい店舗規模といえる。

 正式発表はないものの、ユニーは店舗の競争力確保のために主力の東海地区に経営資源を集中させることも検討しているもよう。東海地区以外の店舗をドンキへ譲渡することも考えられる。今までアピタやピアゴだった店舗がある日、ドンキとなることもあるかもしれない。さらに提携検討事項には「店舗の実験的な共同運営」も含まれているため、アピタの一部にドンキが出店することもあり得るだろう。

ドンキ各店舗のフォーマット
店舗タイプ 売り場面積 アイテム数 商品構成の特徴 主要顧客
ドン・キホーテ 1000~3000平米 4万~6万 アミューズメント&
バラエティショップ
若者・カップル層
MEGA
ドン・キホーテ
8000~1万平米 6万~10万 衣食住の実用品が中心 主婦・ファミリー層
NEW MEGA
ドン・キホーテ
3000~5000平米 4万~8万 衣=実用衣料を中心
食=生鮮食品を抑制
主婦・ファミリー層
注:ドンキホーテホールディングス会社案内から作成