骨や関節まで完全再現した拍手マシン

 高橋社長が拍手マシンの研究を始めたのは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の大学院でメディアデザインを学んでいた博士課程時代。「硬い機械ではなく軟らかくライブ感のあるマシンを作りたい」、その思いをかなえるコンテンツが拍手だった。拍手は世界共通のコミュニケーション手段で、舞台や音楽とのエンターテインメントとも相性がいい。そこで人間の拍手を模した機械装置を作ることにした。

 本物の拍手に限りなく近い音を自動で発するマシンを作るため自分の肘までの手型を取り、骨や関節まで完全に再現して初代拍手マシン「音手(おんず)」が生まれた。鉛を溶かして成型していたが耐久性に問題があった。改良の段階で思い切って骨や関節を省いてみると音質に影響がなかったため、手首までに簡素化し空圧で動かすことにした。

 「幸せなら手をたたこう」の音楽に合わせて手拍子を打つ等身大の拍手マシンはさまざまなメディアに注目され、吉本興業もその“おもろさ”に目を付けた。

博士課程で制作した拍手マシン「音手」。まだ肘までついている