家族連れが最新テクノロジーを楽しむ

 078は「神戸ITフェスティバル」や「ウェアラブルデバイスって何だ?フェスティバル」など最新テクノロジーを紹介するイベントが母体。これにすでに音楽フェスとして実績のある「COMIN'KOBE'17(カミングコーベ)」など多くの団体や企業が協力することで、幅広いテーマのカンファレンス、ライブ、展示会が実現した。

 会場は大きく「東遊園地」「みなとのもり公園」「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」の3つに分かれている。とはいえ、簡単に歩いて行き来できる距離にあるので、3会場を渡り歩くことは苦にならなかったし、会場間の要所でスタッフが道案内をしていたので、初めてでも迷うことはなかった。

 まずはカンファレンスと展示会の中心であるデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の様子から。この会場は従来、神戸ITフェスティバルが開催されていた場所である。

 カンファレンスでは、『ポケモンGO』の開発元であるナイアンティックの日本法人社長・村井説人氏やロボティクスファッションクリエーターのきゅんくんの登壇が注目された。特にAKB48のステージ衣装にも採用されたウエアラブルロボットアーム「METCALF(メカフ) stage」を開発したきゅんくんのカンファレンスでは、10代後半から20代前半の女性の姿が目立ち、一般的なIT関連のカンファレンスとは異なる雰囲気に包まれていた。また、ウエアラブルの伝道者として有名な神戸大学の塚本昌彦教授もいつも通り(?)スマートグラスを装着して登壇するなど会場を盛り上げた。

「ウェアラブル・AR・位置情報と、まち・みらい」に登壇した神戸大学大学院工学研究科教授の塚本昌彦氏(左)と、ナイアンテック日本法人の社長・村井説人氏。『ポケモンGO』とAI(人工知能)の連携について聞かれた村井氏は、「(ユーザーと一緒に歩く)相棒ポケモンがAIを備えてユーザーをサポートするようになるかもしれない」と今後の構想を語った
「ウェアラブル・AR・位置情報と、まち・みらい」に登壇した神戸大学大学院工学研究科教授の塚本昌彦氏(左)と、ナイアンテック日本法人の社長・村井説人氏。『ポケモンGO』とAI(人工知能)の連携について聞かれた村井氏は、「(ユーザーと一緒に歩く)相棒ポケモンがAIを備えてユーザーをサポートするようになるかもしれない」と今後の構想を語った
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小さいころの思い出など、自分のルーツを語った、きゅんくん
小さいころの思い出など、自分のルーツを語った、きゅんくん
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きゅんくんが制作したウエアラブルアームロボット「METCALF」。ザックのように背負って装着し、スマホのアプリから操作する
きゅんくんが制作したウエアラブルアームロボット「METCALF」。ザックのように背負って装着し、スマホのアプリから操作する
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 カンファレンスの内容が、最新テクノロジーだけでなく多岐にわたっていたのも印象的だった。スタートアップ企業の代表者にビジョンや夢を聞くものや、テレビというマスメディアが今後どのように変化していくのか、といったカンファレンスがあり、熱い議論が展開された。ほかにも子育てや地域リノベーションに関するカンファレンスも開催された。

 展示は最新のテクノロジー関連が中心で、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、AI関連のほかに、スタートアップ企業のプロトタイプなどが目を引いた。来場者が実際に体験できるものも目立った。

スタートアップ「トリプル・ダブリュー・ジャパン」が開発した排泄予知ウエアラブル機器「DFree」。センサーで膀胱内の状態をモニタリングすることで排尿を予知する。排泄に悩みを抱えて生活する人々の生活の質を上げることを目指している
スタートアップ「トリプル・ダブリュー・ジャパン」が開発した排泄予知ウエアラブル機器「DFree」。センサーで膀胱内の状態をモニタリングすることで排尿を予知する。排泄に悩みを抱えて生活する人々の生活の質を上げることを目指している
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「神戸デジタル・ラボ」が展示したAIを活用したECサイト向けの検索システム。気に入った服を見つけたら、画面右下のチャットエリアにドラッグ&ドロップすると、似たような服を表示する
「神戸デジタル・ラボ」が展示したAIを活用したECサイト向けの検索システム。気に入った服を見つけたら、画面右下のチャットエリアにドラッグ&ドロップすると、似たような服を表示する
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スマホから“通訳さん”を呼び出せる「クラウド通訳」(ケイ・オプティコム)。ビデオチャットで翻訳をしてもらえる
スマホから“通訳さん”を呼び出せる「クラウド通訳」(ケイ・オプティコム)。ビデオチャットで翻訳をしてもらえる
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「iPRESENCE 合同会社」が開発した“リモート上司”。これを使うと、経営者はどこにいても社員の様子を確認したり、話しかけたりすることができる
「iPRESENCE 合同会社」が開発した“リモート上司”。これを使うと、経営者はどこにいても社員の様子を確認したり、話しかけたりすることができる
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 市役所の脇に位置する東遊園地では、昼間はジャズのライブで盛り上がり、日が沈むころからオープンシアターで映画の上映が始まった。篠原哲雄監督の初劇場作品『草の上の仕事』などが上映されたのだが、屋外で映画を鑑賞するのはなかなか貴重な体験だと多くの来場者が感じたはずだ。上映の合間のトークショーでは、篠原哲雄監督、本広克行監督らが登壇した。

 また、上映は夜12時までだったが、夜9時以降は来場者に簡易的なFMラジオが配られ、音声はヘッドホンで聞くというスタイルに変わった。条例などで定められているのかもしれないが、近隣住民への配慮が行き届いていた。

東遊園地では、昼間はジャズのライブで盛り上がった
東遊園地では、昼間はジャズのライブで盛り上がった
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来場者にとって、屋外での映画鑑賞はなかなかできない体験になったはず
来場者にとって、屋外での映画鑑賞はなかなかできない体験になったはず
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トークショーに登壇した本広克行監督
トークショーに登壇した本広克行監督
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 最後のみなとのもり公園は、音楽ライブが多数開催された開放的な公園。会場はさながら音楽フェスの様相で、ステージ前で盛り上がる人、テントを持参してお酒を片手に聞き入る人など、それぞれが思い思いのスタイルで楽しんでいた。内容は昼間はロックが中心で、80年代後半のバンドブームをけん引したZIGGYや、セックス・ピストルズの楽曲を多数作曲したグレン・マトロック氏が登場。夕方からはジャンルがテクノに変わり石野卓球氏などがステージに上がり、DJプレーを披露した。

思い思いのスタイルで音楽ライブを楽しむ来場者
思い思いのスタイルで音楽ライブを楽しむ来場者
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夜7時から登場した石野卓球氏
夜7時から登場した石野卓球氏
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