時間と本数を限定する理由

 実はアサヒ飲料はこれまでも氷点下で飲む三ツ矢サイダーにチャレンジしている。2014年には今回のようにマイナス5度で飲める「三ツ矢フリージングサイダー」をセブン‐イレブン限定で発売。冷やしてもおいしさを感じられるよう、通常の三ツ矢サイダーより甘みを足した。若者を中心に反響は上々だったが、専用冷蔵庫から自分で扉を開けて取り出す方式だったため、開閉を繰り返すうちに温度を一定に保つのが難しくなるという課題が残った。

 そこで今回は自販機での販売とし、毎日9時半から17時までと販売時間を限定した。それ以外の時間でじっくりと「冷やし込み」をすることで、販売時間中はムラなくマイナス5度に保てるようにするためだ。1日に40本に限定しているのも均等に冷やすため。同社研究開発本部技術研究所の菅沼剛氏は「甘みを足さなくてもおいしく飲める最適な温度がマイナス5度だということに行き着くにも相当の時間がかかり、完成まで5年を費やした」という。最適に冷えていなければ「準備中」の表示が出て販売しないという。

その日の残り販売可能本数がパネル表示される
その日の残り販売可能本数がパネル表示される
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 販路をコンビニから自販機に変更したのは、温度管理以外の理由もある。當麻さんは「自販機は飲料業界の約3割を占め、飽和状態にある。付加価値をつけて自販機で買ってもらう機会を増やしたい」と話す。酷暑が予想される今年の夏。氷点下5度の勢いを借りて三ツ矢サイダーは前年比約107%を目指す。

通常の自販機は商品が3段に並び、小さい子供の手が届きにくい。子供が自分でも買えるように4段設計で、低い位置にボタンを設置している
通常の自販機は商品が3段に並び、小さい子供の手が届きにくい。子供が自分でも買えるように4段設計で、低い位置にボタンを設置している
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(文/北川聖恵=日経トレンディネット)