ミネストローネ→味噌汁→ミネストローネに味変!?

 「2014年の朝食に関する調査で、ごはん派よりパン派のほうが多くなっていることが分かった。かつては朝食に欠かせなかった味噌汁は、パンを中心とした朝食シーンでは絶対に必要なメニューではなくなってきている。発酵食品の良さが再注目されている今、新しい味噌汁で和食の可能性を広げて新習慣をつくることができれば、味噌業界全体を活性化する後押しができると考えた」(マルコメ マーケティング本部 販売企画部 販売企画課の榊原知秋氏)。

 マルコメは新入社員が次年度の新商品を企画する「ルーキーズプロジェクト」を実施しており、同商品は2016年度の新入社員14人が中心となって新商品開発を進めた。アイデアレベルでは「炭酸入りのパチパチ味噌汁」「パイ生地に包まれた熱々味噌汁」「強くなるプロテイン入り味噌汁」など、ユニークなアイデアが多く出たという。“パンと合う洋風の味噌汁”という基本方針が決まると、商品化の実現に向けて「ハンバーガーをジャンクフードから健康食へ」というスローガンを掲げるフレッシュネスバーガーと共同開発した。

 フレーバーは、昨今女性を中心に人気を集めている「トマト味噌」をベースにした。「ふつうの味噌汁だとパンと合わせるにはあっさりしているイメージなので、具材にボリュームを持たせ、スープは野菜による自然なとろみでさらに満足感を得られるようにした」(榊原氏)。消費者調査では「味噌とトマトの風味がマッチしている」「パンに合いそう」という声が多く、購入意向は7割を超えたとのこと。「小売店でも非常に好評で、従来の味噌汁コーナーだけでなく、パンのコーナーに置いてはどうかという提案もいただいた。棚争いは厳しいので、店舗側からそうした提案をいただけるのはめったにないと聞き、驚いた」(マルコメ 市販用営業本部 東日本支店 首都圏販売第一課の福田勝高氏)。

 「パンと合うみそスープ」を作って飲んでみた。湯を注ぐとトマトの香りが広がり、見た目もひとくち飲んだ印象もほぼミネストローネ。「たしかにおいしいが、味噌汁といえるのか」という疑問も浮かんだ。だが飲み進むうちに不思議なことに、どんどん味噌汁っぽい味になってくる。湯気で広がる味噌の香りのせいか、あるいはトマトの酸味に慣れて味噌の味わいが感じられるようになるせいか。ところが半分ほど飲んだところでバジルオイルを投入すると、一気にまたミネストローネに変化する。ズッキーニが味噌汁の具として、全く違和感がないのも発見だった。

味噌ペースト、乾燥具材、バジルオイルが入っている
味噌ペースト、乾燥具材、バジルオイルが入っている
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味噌ペーストはトマトの赤みが強く、見た目も味もトマトペーストのよう。味噌の風味はあまり感じられない
味噌ペーストはトマトの赤みが強く、見た目も味もトマトペーストのよう。味噌の風味はあまり感じられない
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最初はミネストローネスープだが、飲み進むうちに味噌汁の風味を強く感じるようになった。時間が経つにつれ、野菜からとろみが出て来て汁に濃度がついてくるので、全部飲み終わったときにはかなりの満腹感だった。カロリーは1杯67kcalと一般的なカップ入りミネストローネスープの約半分程度
最初はミネストローネスープだが、飲み進むうちに味噌汁の風味を強く感じるようになった。時間が経つにつれ、野菜からとろみが出て来て汁に濃度がついてくるので、全部飲み終わったときにはかなりの満腹感だった。カロリーは1杯67kcalと一般的なカップ入りミネストローネスープの約半分程度
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バジルオイルを入れると、一気に風味が変わった
バジルオイルを入れると、一気に風味が変わった
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