バナナやチョコレートと出合ってビールが生まれ変わる

 ビールが苦手な人にもビールを楽しんでもらおうという店もある。2011年8月にオープンした東京都目黒区の中目黒ビヰルキッチンだ。

 カウンターも合わせて30席で、ディナーだけの営業で、1日40人から80人、土日には100人超の客でにぎわう。その名の通り「ビール」と「料理(キッチン)」のおいしさが自慢の店で、2017年1月からは料理を500円と1000円というリーズナブルな価格に統一した。そのとき、同時に始めたのが、ビールが苦手な人にも楽しんでもらうための「ビア・カクテル」の充実だった。

東京都目黒区の「中目黒ビヰルキッチン」
東京都目黒区の「中目黒ビヰルキッチン」
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 同店では、世界各国のクラフトビール24種類をそろえ、700円、800円前後の価格で提供している。

「中目黒ビヰルキッチン」の店内。冷蔵庫の中にはヨーロッパを中心としたクラフトビールがずらりと並んでいる。店内喫煙可
「中目黒ビヰルキッチン」の店内。冷蔵庫の中にはヨーロッパを中心としたクラフトビールがずらりと並んでいる。店内喫煙可
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 中目黒ビヰルキッチンの川村芳大店長は言う。「中目黒という土地柄、芸能人や美容師、夢を追いかけている人など、クリエイティブ系やアーティスト系のような『お酒も自分のファッションの一部』というお客様が多い」。同店の料理やドリンクなどをプロデュースしている重光則和ディレクターも続ける。「30代から40代半ばの女性が6、7割で、欧米人の旅行者や常連もかなり多く、お客様の感度は高い」

「中目黒ビヰルキッチン」の川村芳大店長(写真左)と飲食店のプロデュースやコンサルティングなどを行う「WILD LIFE」の重光則和ディレクター
「中目黒ビヰルキッチン」の川村芳大店長(写真左)と飲食店のプロデュースやコンサルティングなどを行う「WILD LIFE」の重光則和ディレクター
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 そんな客層にもっとビールを楽しんでもらうために、同店では、レッド・アイ、シャンディ・ガフ、ビアスプリッツァー、ブラック・ベルベット、トロイの木馬などといった定番のビア・カクテル7種類に加えて、新たに9種類(うち1種類は日替わり)のオリジナルを開発し、合計17種類のビアカクテルがメニューに並ぶ。ベースとなるビールは、ハートランド、スタウト、セッション・エール、ゴールデン・エールの4種類。

 「チョコとバナナは合うから、キャラメル香がする黒ビールの『スタウト』がいいね、という感じで、味覚と色合いと感覚で決めていきました。女性にはバナナとチョコレート、色がきれいなライチとグレープが人気で、夏にはマンゴーとパインのビアカクテルが出ると思います」(重光氏)

オレンジジュースで炊き上げたオレンジパエリア(1人前、1000円)とオリジナル・ビア・カクテル。左から、スパイシーなイタリアンレッドアイ、夏にぴったりのマンゴーパイン、女性人気ナンバーワンのカカオバナナ、ビールの苦手な女性にも好評のライチグレープ
オレンジジュースで炊き上げたオレンジパエリア(1人前、1000円)とオリジナル・ビア・カクテル。左から、スパイシーなイタリアンレッドアイ、夏にぴったりのマンゴーパイン、女性人気ナンバーワンのカカオバナナ、ビールの苦手な女性にも好評のライチグレープ
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 重光氏は言う。「ビールカクテルは、苦手な人もビールが好きになる可能性を秘めていて、その多様性は無限大ですから、これからもチャレンジしていきたい」