ランチのチャーハンでジビエが食べられる

 実は「もっと一般の人が食べられるものにしたい」という目標は、みえジビエだからこそ立てられるものといえる。厳しいマニュアルに準拠して解体されたみえジビエのシカ肉は、放血などがしっかりしていることもあり臭みの少ないクリアな味わいになっている。みえジビエは肉の臭みが苦手な人でも食べられるのだ。

 加えて、みえジビエは年間を通じて供給ができる可能性がある。というのも、農作物に被害をもたらす鳥獣の捕獲は狩猟と違い、ほぼ一年中実施が認められているからだ。みえジビエは、秋の狩猟シーズンから冬にかけて出回る限定的な食材ではない。いつでも手に入る、臭みの少ない健康的な食肉を目指している。

 また、みえジビエはフランス料理以外にもさまざまなスタイルで食べられるのも面白い。登録事業者のなかには、有名カレーチェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」の三重県下の店舗が含まれている。期間限定だが、過去4回みえジビエを使ったカレーを提供している。

 カレーだけでなく中華にもみえジビエは使われている。三重県・亀山市にある「中国名菜 しらかわ」は、みえジビエを使ったメニューを積極的に展開。ジビエと中華のマリアージュは全国的にも珍しいものだ。

 店長の白川貴久氏は、肉質や味だけでなく「実際に解体している現場を見学させてもらって、これは信頼できると確信した」と、安全面を評価し、食材として活用することを決めた。人気メニューは、「みえジビエ鹿肉のオイスター炒め」だ。ほかにも「みえジビエ 鹿肉の特製チャーハン」など、ポピュラーな中華料理にみえジビエを合わせている。「食べやすいし肉が硬くならないのがみえジビエのいいところ」と白川氏。

 現在は新メニューを開発中で、それはなんとシューマイだという。「いい肉を使うからには妥協はしない」(同氏)と商品化にはまだ少し時間がかかるようだ。

 みえジビエの将来について白川氏は、「しらかわだけではやっても意味がない。三重県を代表する食材として家庭でも気軽に使われるようになってほしい」と三重県にエールを送った。

しらかわのジビエを使った「みえジビエ鹿肉のオイスター炒め」
しらかわのジビエを使った「みえジビエ鹿肉のオイスター炒め」
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店長の白川貴久氏
店長の白川貴久氏
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