「湯を沸かさない」ことでシニア市場も開拓

 湯を沸かすことなくボタン一つで好みのお茶がいれられるという特徴は、仕事や家事に忙しい人の「時短」ニーズに対応しているといえる。だが、湯を沸かすというひと手間をカットしたことで開拓できた市場がある。60歳以上のシニア層だ。

 早坂マネージャーは「『京の匠福寿園』シリーズをきっかけに、ユーザーの中心である30~40代の女性が自分の親にすすめることが増えている」と話す。高齢になると、湯を沸かすという行為が手間だけでなく困難に感じることもある。だが、火を使わずに電気ポットを使ってお茶をいれることもできる。スペシャルティーをすすめる理由はどこにあるのか。それについて、同社のグンター スピース専務は「自分が飲んで、おいしいと感じたからではないか」と分析する。

 スピース専務によると、コーヒーマシーン・ティーマシーンともにプレゼント需要も多いというが、「ネスプレッソなどはもともとコーヒーを親しんでいた人にプレゼントするという例が多い」(同氏)。エスプレッソを提供する店に行ったことがある人ならば「マシンがいれるコーヒー」に抵抗がある人も少ないだろう。しかし、お茶をマシンでいれるという認識はあまりない。そこで「飲んでみたらおいしかった」という体験が重要になるのかもしれない。

茶葉を測る必要がないというのも手間を省けるポイント
茶葉を測る必要がないというのも手間を省けるポイント
[画像のクリックで拡大表示]

 スピース専務は「マシンのメンテナンスのため、消費者と直接コミュニケーションを取る必要がある」とし、引き続き通販を中心に展開していくと話す。だが、今後は「体験の場も必要と考えている」(同氏)。無料の体験イベントを行うほか、店頭展開も視野にいれていくという。

(文/樋口可奈子)