時代で変わる包装や抹茶の評価基準

 ダントン代表は自らの店舗運営の経験から、食材としてだけでなく飲料としても抹茶が受け入れられるためには、「消費者が何を求めているのかを知る必要がある。売る側に、抹茶の魅力を伝える工夫が足りない」と述べた。

 例えば、ダントン代表が経営するおちゃらかでは、以前から一般的な100g包装のほかに、40g包装のお茶商品を作り、販売しているという。かつては4人家族が多かったが、最近は子どものいない家庭、一人っ子の家庭も多い。家族構成が異なる今の時代に100g包装の商品だけでは対応できないこと、さまざまな種類のお茶を少しずつ楽しみたいという消費者の意見を受けてのことだ。

東京・日本橋にある日本茶の専門店「おちゃらか」のステファン ダントン代表
東京・日本橋にある日本茶の専門店「おちゃらか」のステファン ダントン代表
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静岡産業大学の中村羊一郎特任教授
静岡産業大学の中村羊一郎特任教授
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 その結果、100g包装の商品よりも、40g包装の商品がよく売れるという。しかも、2つずつ買っていく人も多い。ダントン代表は「100g包装を買うより値段が高くなっても、40g包装を組み合わせて2種類のお茶を楽しみたい人がいるということ」と分析した。

 このように、消費者の目線を取り入れる動きは業界全体にも徐々にだが広がり始めている。その一例が、世界緑茶協会が行っている「世界緑茶コンテスト」だ。これまで、お茶の品評というと専門家目線のものが多く、茶葉の形、味、香りが主な評価基準とされていたが、実際に商品を手に取る消費者にとっては、商品のパッケージやコストパフォーマンスも重要になる。そこで、世界緑茶コンテストでは、滋味(味)、香りに加えて、コンセプト、パッケージ、コストパフォーマンスを評価基準としている。

 今後、抹茶の人気を国内外で維持していくためには、抹茶の機能や味の魅力、活用方法などを日本から発信していくことが重要になりそうだ。現在中国や韓国でも抹茶の生産量が増えている。まだ日本の品質には届いていないというが、いずれ品質が上がれば、中国産、韓国産の抹茶にニーズが流れる可能性もある。中村氏は「日本のお茶産業としては、健康など抹茶の機能面だけでなく、日本の食材、文化としてアピールしていくことも必要だろう」と結んだ。

(文・写真/志田彩香)