衛生的で非アレルゲン性素材なのも強み

モンチュラ「ファイバー」&「クワイエットレボリューション+セルリアントヒート」

 イタリアを拠点に立体裁断を追求した高機能ウエアを展開しているモンチュラでは、2016年の秋冬製品から自社開発の化繊中綿を採用。それまではプリマロフト社の中綿をメーンに使用していたが、ついに自社開発に踏み切った。

 その背景をモンチュラの輸入代理店であるエアモンテ社の豊田崇氏は、「2005年以降の鳥インフルエンザなどで羽毛の価格が高騰したこと、ダウンの需要が爆発的に増えたことで食用からのダウン供給が追い付いていないこと」だと話す。そしてダウンに代わる素材として化繊綿に着目し、自社開発によって誕生したのが「FIBRE(ファイバー)」と「QUIET REVOLUTION + Celliant Heat(クワイエットレボリューション+セルリアントヒート)」だ。

ファイバーは中綿に特殊なシリコンで処理したマイクロファイバーをブレンドしたもの
ファイバーは中綿に特殊なシリコンで処理したマイクロファイバーをブレンドしたもの
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 ファイバーは通気性があり、優れた保温性を持っているのが特徴。加えて「マイクロファイバーは特殊なシリコンで処理されているので衛生的であり、かつ非アレルゲン性素材なのも特徴です。グースダウンのようにソフトで心地良い感触があるのに、メンテナンスはダウンと違って洗濯機で簡単に洗えます」と豊田氏。

「ヴァーテックス ジャケット」(4万8000円)。ファイバーとクワイエットレボリューション+セルリアントヒートを使用したモデルで、各所に超軽量の防水素材を使用し疎水性を備え、ぬれても高い保温性を維持する。適切な通気性も併せ持つ
「ヴァーテックス ジャケット」(4万8000円)。ファイバーとクワイエットレボリューション+セルリアントヒートを使用したモデルで、各所に超軽量の防水素材を使用し疎水性を備え、ぬれても高い保温性を維持する。適切な通気性も併せ持つ
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 「クワイエットレボリューション+セルリアントヒートは、ポリエステルとポリプロピレンからなる中綿。“セルリアント”は特殊繊維を練り込んだポリエステルの呼び名で、熱に反応する鉱物を利用し、体熱を赤外線エネルギーにして取り込んだあと、再び体温調節に利用する機能を持っています。そのセルリアントに熱伝導率が最も低いポリプロピレンをブレンドして、ごく小さなエアポケットのネットワーク状の形状にすることで、保温・はっ水・速乾・防風・通気性に優れ、超軽量かつ極めてコンパクトに圧縮できるんです」(豊田氏)

「クワイエットレボリューション+セルリアントヒート」の拡大画像。特殊な繊維を練り込み、体の遠赤外線を利用して保温力を高める
「クワイエットレボリューション+セルリアントヒート」の拡大画像。特殊な繊維を練り込み、体の遠赤外線を利用して保温力を高める
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 モンチュラのウエアは、個人的にも着用したときのフィット感、着心地が抜群に良いと感じる。これは部分的に素材やパターンを細かく変えているからで、そういった手の込んだ作業が可能な要因として、委託生産ではなく自社工場を持って生産過程を厳しく管理していることが挙げられる。

 「中綿を使用した製品に関しては、肩や脇、身ごろなど部位によって、封入する量や素材を少しずつ変えています。自社の意思のもとで中綿を開発しコントロールすることは、モンチュラのウエアである以上、必要不可欠な要素です」と豊田氏。部分的に素材を変えればその分手間は増え、縫製も複雑になる。モンチュラはその手間を惜しまず、クオリティーの高い製品づくりに力を注いでいる。