実は伸びているフリーズドライ食品

 実はここ数年、食品メーカーからフリーズドライ食品の新商品発売が相次ぎ、市場規模が急速に拡大している。2008年に141億円だった同社の売り上げは、2014年には約221億円に。特に通販が好調で、15年前は4億円程度だった売り上げが現在では約52億円にまで伸びているという。

 同社で現在、年間に製造しているフリーズドライ食品だけでもざっと、1億7000万食分(2014年度)。種類はにゅうめんやリゾット、シチューや総菜など200以上に上り、看板商品のみそ汁だけでも80種類を超えるそうだ。

 フリーズドライは、「少量の湯を注ぐだけで食べられる」「常温で長期保存が可能」「軽いので持ち運びに便利」なことから、すでに防災食として高い評価を得ている。同じ理由で、独居のシニア層にも受けそうだ。同社によると、忙しくて食事を作る暇のない一人暮らしの子供に送る親も多いそうだ。

 だが一方で、湯をかける前の状態があまりに小さく軽いため、それにたいして価格が高いと感じてしまう面もある。つまりメリットがそのまま、弱みにもなっているのだ。同社がこのようなインパクトのある商品を発売し続けるのは、フリーズドライ食品の再現性の高さをアピールし、高値感を払拭するためでもあるのだろう。

2014年の即席味噌汁の市場は2008年の約1.5倍の伸びにとどまっているなか、フリーズドライ味噌汁は約5倍に拡大(資料提供/アマノフーズ)
2014年の即席味噌汁の市場は2008年の約1.5倍の伸びにとどまっているなか、フリーズドライ味噌汁は約5倍に拡大(資料提供/アマノフーズ)
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(文/桑原恵美子)