リアル店舗からECまで展開する富澤商店

 ECサイトでcottaを追いかけ、急成長を遂げているのが、ECサイト事業クオカを2017年に譲り受けた製菓・製パン材料の富澤商店だ。こちらは1919年創業で東京の町田市の小売店からスタートし、2019年に100周年を迎える老舗商店。2015年12月にTOMIZブランドを立ち上げ、現在全国の大手百貨店や駅ビルなどで77店舗を展開している。

リアル店舗からECまで「TOMIZ」ブランドを展開する富澤商店
リアル店舗からECまで「TOMIZ」ブランドを展開する富澤商店
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 ECを導入したことによって、売り上げが9-12月の4カ月経過時点で前年比176.1%だというから、いかにECの需要が大きいかが分かる。こちらはインスタのフォロワーが1万4000人、ツイッターが1万人、フェイスブックは10万人だが、SNSの手応えを確実に感じていると富澤商店広報担当の横山英里氏はいう。クッキングスタジオを併設した店舗もあり、そこではプロのパティシエも実演するのだが、同社が開くレッスンには申し込みが殺到。一度参加するとハマり、何度でも女性がリピートするそうだ。

 「手作りのお菓子が家事を超え、ちょっと特別なこととして女性に受け入れられた気がする。しかも以前までは主婦層がメインだったのに、10代や20代の若い女性たちも参加するようになった。それは誰かにあげるためではなくて、SNSで見せるためだと思う」(横山氏)。簡単にできそうな30秒くらいのレシピ動画もネット上に増えてきて、手作りが身近になったのではないかと、横山氏は分析する。

 富澤商店のECサイトのメインユーザーは30代から50代で、人気の高いレシピはチョコレートテリーヌやガトーショコラだというから、こちらはいわゆる“大人のお菓子オタク”が多いといえる。ただこちらにも共通しているのは、本命チョコではなく、友チョコを作る人が圧倒的に多いそうだ。売れるのはハイカカオの商品でカカオ70%以上のチョコレート。バレンタイン時期になるとほかの月よりも売り上げが2割増しになるという。