ローラーで印刷する楽しさを実感

 さて、いよいよ印刷である。黒インクが付属しているが、筆者は濃い赤茶色(アリザリン・クリムゾン)の水彩絵の具を使うことにした。インクは水彩絵の具が使えるので、好みの色があれば買っておこう。また、印刷用の紙は、本誌に「キャプタルラップ 120g/m2」という片面は光沢加工、片面は和紙のような風合いの紙と、「ハーフエア・コットン 209.4g/m2」という厚手の画用紙のような紙がA4サイズで2枚ずつ用意されているので、これらを使う。まずは厚手のハーフエア・コットンを名刺サイズにカットして使った。

 インキ台に付属の吸い取り紙をセット。次に活字台を版盤にセットし、紙を圧盤にセットしたら、付属のスポイトで吸い取り紙に水を垂らして、インキ台に吸い取り紙を貼り付ける。これで準備完了。インクは吸い取り紙の上に一直線に端から端まで出して、細い棒などでまんべんなく広げていく。そして、印刷機のハンドルを動かして、ローラーでインクをよく練ると同時に、ローラーにしっかりとインクを付ける。少しローラーを押さえるようにすると、インクがしっかり付くようだ。

インキ台に付属の吸い取り紙をセットし、スポイトで水滴を垂らしてインキ台に吸い取り紙を貼り付ける
インキ台に付属の吸い取り紙をセットし、スポイトで水滴を垂らしてインキ台に吸い取り紙を貼り付ける
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絵の具を吸い取り紙の上に真っ直ぐ出す。このとき、太さを均一にして出せれば、後の作業がスムーズだが、不器用な筆者はヨレヨレになってしまった
絵の具を吸い取り紙の上に真っ直ぐ出す。このとき、太さを均一にして出せれば、後の作業がスムーズだが、不器用な筆者はヨレヨレになってしまった
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レバーを動かして、ローラーでインクを練りながら、ローラーにインクを付けていく
レバーを動かして、ローラーでインクを練りながら、ローラーにインクを付けていく
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レバー操作だけでなく、直接ローラーをインク台に押し付けて転がすと、ローラーにインクが付きやすい
レバー操作だけでなく、直接ローラーをインク台に押し付けて転がすと、ローラーにインクが付きやすい
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 インクが十分に乗ったら、ハンドルを押し下げて活字を紙に押し付ける。あまり強く押し付けなくても、インクが活字に乗っていれば問題なく印刷できる。最初は試し刷りということで、インクの乗りを見て微調整しよう。何度か刷ってみて分かったのは、1回目以降はローラーを1往復させるくらいで活字に十分インクが乗るということ。

 印刷時に押し付け過ぎると紙に活字がくっつく場合があるので、あらかじめ両面テープで活字を固定しておくことが重要だ。インクの付け過ぎ、押し付け過ぎには注意しよう。印刷機というだけあって、一度うまく刷れれば、あとはレバーを上から下へと1回動かすだけで、どんどん刷れる。

ローラーで活字にインクを乗せているところ。最初だけは何度か往復させよう
ローラーで活字にインクを乗せているところ。最初だけは何度か往復させよう
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台をしっかり押さえてレバーを押し下げれば、印刷完了
台をしっかり押さえてレバーを押し下げれば、印刷完了
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レバーを戻すと、印刷できている。次の紙をセットして、レバーを押し下げれば、次の1枚も印刷できる
レバーを戻すと、印刷できている。次の紙をセットして、レバーを押し下げれば、次の1枚も印刷できる
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だんだん勝手が分かって、うまくいくようになった
だんだん勝手が分かって、うまくいくようになった
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 印刷の後は、活字や印刷台、ローラーをぬるま湯で洗って乾かせば、また次の印刷が行える。ローラーと活字を複数用意すれば多色印刷も簡単に行えるから、なかなか本格的だ。書体が良いおかげで、完成した名刺は風情があって、裏面に住所印と名前印を押せばビジネスにも使えそう。版面は名刺サイズだが、それより大きな紙もセットできるから、例えばハガキの下半分に印刷といったことも可能だ。

 使ってみると思った以上に簡単で実用的。2版以上使って多色刷りに挑戦するのも面白そうだ。複数の版で刷れば、同じ文字も何度でも使える。水彩絵の具は色が豊富で安価なので、少し変わった色で印刷するのも面白い。

 文字種については、漢字はあっても多分使いこなせないけれど、カタカナは欲しい。また、活字はレイアウトが決まったら、活字台に直接両面テープを貼り付けて、その上から活字を差し込むほうが早そうなので、次回はその方法を試してみたい。実際に使うと分かるが、“印刷している”という感覚はとても面白い。

(文・写真/納富廉邦)