もはや「麺なしラーメン」ではなく、新しい肉料理
ご飯を豆腐に替えたすき家の「牛丼ライト」、麺をブロッコリーに替えられるはなまるうどんなど、低糖質の食品への代替メニューを提供している店は増えている。だが、「麺の代わりに肉」というチョイスができるのは、おそらく舎鈴のみだろう。発売直後は1日あたり10~20食ほどしか出ていなかったが、ネット上で話題となったのをきっかけに、2016年9月上旬ごろからは1日に100食ほど出るようになった。「現在も八重洲店では毎日50食ほどの注文がある」(舎鈴を運営する松富士食品 営業企画部の平澤歩氏)というから一過性のブームではなく、固定ファンがしっかりついていることがうかがえる。
麺の代替ということでしゃぶしゃぶのようなヒラヒラの薄切り肉を想像していたが、かなり分厚い肉が入っている。ボリュームも多く、「全部食べきれるだろうか」という不安を感じたほどだった。使用しているのはスペイン産の豚肩ロース肉200g。バラ肉など脂の多い部位だと魚介類の香りが強いスープとの相性が悪いためだという。脂身の少ないしっかりした肉質だが硬くはなく、肉汁も多いうまみの強い肉だ。同じスープなのに、麺入りで食べているときと違う味わいに感じるのは、肉のうまみとの相乗効果だろうか。ボリュームのあるしゃぶしゃぶのような、新しい肉料理を食べている感覚。そのせいか、白飯が欲しくて仕方がなかった。聞けば、つけ肉にご飯を追加注文する人もかなりいるとのこと。もしかしたらこの店のスープは麺よりもご飯に合う味なのかもしれない。