地域密着、同じスタッフの「安心感」

 単純にコストだけを比較すれば、SAKUケーブルスマホやケーブルモバイルのような小さな事業者が提供する格安SIMよりも、楽天モバイルやmineoといった知名度も高い格安SIMのほうがお得だ。

 だが、冒頭でも触れたように格安SIM市場は競争が激しい。規模が比較的大きな事業者でも、プラスワン・マーケティングのように資金繰りの悪化から撤退や民事再生手続きに至るケースもあるだろう。

 すでに多くのMVNO事業者が生き残りをかけた独自の取り組みを行っているが、地域密着型の格安SIMには、強力なサポートという見逃せない特徴がある。

 今回取材した愛媛のケーブルモバイルでは、スタッフが自宅を訪問して相談に乗ってくれたり、お試し用のスマホを貸してくれたりする。大手のMVNOでも希望者に対して出張サービスを提供するところはあるが、ケーブルモバイルでは商店の御用聞きのように「ユーザーのもとへサポートに赴くのが、日々のルーティンになっている」(ケーブルモバイル担当者)という。

 また、より規模が小さなSAKUケーブルスマホの場合、契約からサポートに至るまで、すべての店頭サービスをほぼ1人の担当者だけでまかなっている。いつ訪問しても基本的に同じスタッフが応対してくれることになるため、地元の商店街で顔なじみのお店に立ち寄るような、一種の安心感がある。

 シニア世代が子や孫と離れて住んでいる場合、スマホを使っていて分からないことや困ったことがあっても、なかなか相談にのれない。そんな人は、アフターサポートも考慮して、こうした地域密着型の格安SIMサービスを選択肢に含めてもいいだろう。

 ケーブルテレビ事業者も含め、今後のMVNOがどのような展開をしていくのか、引き続き注目していきたい。

(文/松村武宏)