アトラクションをリニューアルする新たな手法になるか

 何体もの怨霊に取り囲まれ、恐怖に震えながら廃線の保守点検をしなければいけないという、次元を超えたブラックな労働環境。よくよく考えればちょっと笑えるシチュエーションでありながらも、いざ体験してみれば、お化け屋敷としての怖さもちゃんと味わうことができる、そのギャップが「怨霊廃線VR」の魅力だ。

 何より、既存のアミューズメント施設の設備には手を加えずに、そのコンテンツをまるっきり上書きしてしまうというVRの活用方法に、いたく感心させられた。ダズルによるとこうした手法はあまり例がなく、VR開発に携わる同業他社からの注目度も高いという。

 「怨霊廃線VR」は、実質的には体験者がつけるVRゴーグルとヘッドフォンの内側だけで完結している。試すことはしなかったが、ゴーグルとヘッドフォンを外せば、そのまま「ミステリーゾーン」が楽しめるはずで、運営方法によっては複数のコンテンツを同時に提供できる可能性すらうかがわせる。

 増改築なしに低コストでライド型アトラクションを完全にリニューアルできるこの手法は、もしかしたらこれから各所の遊園地やテーマパークで大流行するかもしれない。

(文/稲垣宗彦)

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