中国レノボ・グループと富士通は2017年11月2日、パソコン事業に関する合弁会社を設立すると発表した。富士通の100%子会社でパソコン事業を担っている富士通クライアントコンピューティング(FCCL)に対して、レノボが255億円で51%出資する。また、日本政策投資銀行も25億円で5%を出資する。これによって、富士通の保有比率は44%となる。株式譲渡は2018年度第1四半期(4〜6月)をめどに実施。新体制のFCCLの社長は、現在の齋藤邦彰社長が引き続き務める。
レノボと富士通は2016年10月に、パソコン事業の開発・製造などに関する戦略的な提携を進めていることを明らかにした。今回は、これから1年以上が経過しての発表となった。
中国レノボ・グループとNECは2011年7月、両社が出資するレノボNECホールディングスを設立。NECのパソコン事業とレノボの日本法人であるレノボ・ジャパンを、レノボNECホールディングスの100%子会社にした。現在は、レノボNECホールディングスに対して、レノボが66.6%を出資している。今回のFCCLへの出資によって、レノボ・グループは3社で国内のパソコン事業を展開することになる。直近の3社の実績を基にすると合計シェアは43.8%にも達する。
FCCLは川崎市に研究・開発拠点を持つほか、島根県出雲市の島根富士通でノートパソコンを、福島県伊達市の富士通アイソテックでデスクトップパソコンを製造するなどしている。また、販売やサポートの拠点も全国に展開している。
レノボ、富士通の2社はFCCLのパソコン事業について、「開発や製造、販売の体制を維持し、ブランドも変更しない」としている。また、FCCLのパソコンのサポートサービスも、引き続きFCCLが提供するという。
(中野 淳)