ゲームで始まったVR、映画にも導入される?

――ゲームの世界ではVRが登場しましたが、VR映画の可能性についてはどう思いますか?

アンダーソン監督: 技術が進歩すれば可能性はあると思う。映画は、どれだけその世界に入り込めるようにするかをずっと追求してきたんだ。例えば音声。最初はスクリーンからしか聞こえなかったものが、今ではサラウンドになり、頭の上を飛行機が飛んだり、銃弾が飛び交ったりするのをよりリアルに感じられるようになったじゃない? 映像も将来はそうなっていくだろうね。ただ、映画というのは観客が集団で楽しむもの、VRはヘッドマウントディスプレーを装着して個人で楽しむもの。ゲームにはとても向いているけれど、これが映画になるとどうかな。僕もいろいろ試しているんだけれど、VRが今後どうなっていくかは、ちょっと見ものだと思ってるよ。

『バイオハザード』監督に聞いたVR映画の可能性(画像)
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――もしもVR映画を作ることになったら、どんな作品を作りますか?

アンダーソン監督: 自分がいままで歩んできた路線をたどるかな。アクション映画とか、ちょっと怖い映画とか。むしろ、そういう映画のほうがVRには合ってると思う、ラブストーリーなんかより。

――『バイオハザード:ザ・ファイナル』は余韻の残るエンディングでしたが、今回で本当に最後ですか?

アンダーソン監督: 残念ながら本当に最後だよ。この作品ですべての謎が解けるから、あらためて第1作から見直してみるのも面白いんじゃないかな。

 最新作では第1作に登場した敵の基地である「ハイブ」に戻るんだけど、第1作の公開は2002年だからね。当時の小道具なんて、もうないんだよ。例えば旧型のパソコンとか、コード付きの電話とか。仕方がないから3Dプリンターで作ったんだ(笑)。

『バイオハザード』監督に聞いたVR映画の可能性(画像)
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――“ローテク”を再現するのに、“ハイテク”が駆使されたんですね。

アンダーソン監督: まぁ、派手なアクションがメーンの映画だから、見る人はあまり気にならないと思うけどね。第1作なんて、僕の感覚では1000年くらい昔の作品に思える。時代の進化ってすごいよね。

 そういえば前に『イベント・ホライゾン』(1997年)という作品を撮ったんだけど、その映画に出てくるコンピューターのキーボードをどうしようっていうことになって「スクリーンにキーボードがあったらいいのに」って話をしてたんだ。つまり、僕たちはiPadが登場する7年前にスクリーンキーボードを考えてたわけで、スティーブ・ジョブズを訴えるべきだと思ってる(笑)。