飲食店予約サービスの拡大が大きな狙いか

 最大の狙いは、EC事業の強化であろう。実際ヤフーのここ最近の取り組みを見ると、EC事業の強化を積極的に進めているのが分かる。

 それを象徴しているのが、2013年に通販サービスの「Yahoo!ショッピング」と、ネットオークションサービス「ヤフオク」の出店料を、有料から無料にしたことだ。手数料を取らないことで出店店舗数を大幅に増やし、ストア自体の規模を拡大するという大胆な戦略転換を実施したことが大きな話題をもたらし、それが大きな成果へとつながっている。

Yahoo!ショッピングは出店料を無料にし、店舗数を大幅に増やすことで売り上げを高める戦略に出ている(ソフトバンク2015年3月期第一四半期決算説明会より)
Yahoo!ショッピングは出店料を無料にし、店舗数を大幅に増やすことで売り上げを高める戦略に出ている(ソフトバンク2015年3月期第一四半期決算説明会より)
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 今年に入ってからは、さらにEC事業を積極化するヤフーの姿勢を明確に示す出来事が相次いでいる。8月には関連会社であった、オフィス用品通販大手のアスクルを連結子会社化して関係を一層強化。また10月には、グループ企業となるソフトバンクのスマートフォンでYahoo!ショッピングを利用する際、会員登録やID・パスワードの入力をすることなく買い物ができる「スマートログイン」「スマート決済」の仕組みを提供。スマートフォンで買い物がしやすい環境も整えてきている。

 こうしたなか、一休を傘下に収めようとする大きな理由は、飲食予約に関するEC市場の伸びだ。

 一休が提供するサービスのうち、宿泊施設のオンライン予約サービスに関しては、既に多くの人が利用する一般的なものとなっている。しかしながら飲食店のオンライン予約サービスは、海外ではOpenTable.comなどが多く利用されている一方、日本ではまだあまり普及が進んでおらず、市場開拓の余地が大きい。

 最近では飲食店予約サービスを手掛ける企業も増えており、ヤフーも同種のサービス「Yahoo!予約 飲食店」を展開している。だが一休は、国内における飲食店予約サービスの先駆け的存在であり、しかも高級店に特化して積極的に店舗開拓を進めてきた。そうした一休が持つノウハウや店舗とのコネクションは、飲食店予約サービスを拡大する上で重要になるとヤフーが判断したといえそうだ。

飲食予約サービスは、10年前の旅行予約サービスと似た状況であり、今後大きく伸びる可能性が高いとヤフーは考えているようだ(ヤフーの記者会見プレゼン資料より)
飲食予約サービスは、10年前の旅行予約サービスと似た状況であり、今後大きく伸びる可能性が高いとヤフーは考えているようだ(ヤフーの記者会見プレゼン資料より)
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