アマゾンジャパンが新物流倉庫「Amazon 川崎 FC(フルフィルメントセンター)」の内部を公開した。Amazon 川崎 FCは、日本で13番目の物流倉庫で、海外では既に導入されている最新の商品管理システム「Amazon Robotics(アマゾン ロボティクス、以下AR)」を日本で初めて採用。2016年12月6~12日までの1週間、Amazon.co.jpで開催されている年末セール「サイバーマンデーウィーク」に合わせて本格稼働を開始した。
ARが導入されている物流拠点は現在、米国に16、英国に2、ポーランドに1の計19あり、日本は20番目に当たる。日本にも複数ある拠点の中で、今回、川崎 FCを選んだのは、「川崎は首都圏に近く、扱う注文数も多いため」(アマゾン広報)だ。AR導入の狙いは、「サイバーマンデーウィーク」のように一時的に注文が増加する状況でも、商品をスムーズに利用者に届けることだ。
ARでは、商品を保管している四角い棚を「ドライブ」という自走式ロボットによって動かす。ドライブはARエリアの床に埋め込まれたバーコードを読み取ることで、位置を把握しながらエリア内を行き交う。
ARが活用されている作業は、「棚入れ」と「棚出し」の2工程。棚入れではスタッフの前に自動的に棚が運ばれてきて、保管する商品のサイズや重さに適した収納箇所がスタッフの目の前に設置されたディスプレー上に青く表示される。スタッフが入荷した商品の情報を登録して、表示された箇所に商品を詰め終えると、棚は自動的に保管場所に戻っていく。
棚出しでは、注文が入った商品が保管されている棚が効率的なルートを通ってスタッフの前に運ばれてくる。ディスプレー上に今度はどの商品を取り出したらよいかが表示されるので、その商品を取り出し、情報を読み取って梱包作業に送り出す、という流れだった。
他の倉庫では、商品の保管場所まで人が動いて棚入れ、棚出しを行っているが(関連記事:アマゾン倉庫に潜入!空いた棚に詰めるから速い、すごい)、ARを導入することでスタッフが商品を取りに行く必要がなくなり、労働負荷と発送までの処理時間がはるかに軽減されるという。また、保管場所の省スペース化にもつながる。
ただし、今後、国内外でAR導入拠点を増やしているのか、ARを導入した拠点と従来通り人が商品を取りに行く拠点を使い分けるのかなどについては、アマゾンジャパンは現時点では明らかにしていない。
サイバーマンデーウィークは昨年の2倍以上の品そろえ
年末セールのサイバーマンデーウィークは今回で5回目。「サイバーマンデー」はアメリカで感謝祭の翌月曜日が1年で最もネットショッピングが盛り上がる日として知られている。アマゾンでも12月第2週が1年で最もサイト訪問者数が多いことから、2012年からセールを実施しており、今年はセール最終日の12月12日が日本版サイバーマンデーに当たる。
今年のサイバーマンデーウィークは昨年の2倍となる2万点以上の品そろえで、初となる「プライム会員限定セール」を実施している。かせ川謙バイスプレジデントによると「プライム会員限定セールでは、カスタマーレビューが星4つ以上の人気商品や、半額以下の売れ筋アイテムを日替わりで提供している」という。
(文/大川晶子=スタジオノラ)
