2016年11月18日、ソニーモバイルコミュニケーションズのスマートプロダクト「Xperia Ear(型名:XEA10)」(1万9000円)が発売された。同社によれば予約段階から予想を上回る反響があり、現在も品薄状態が続いているとのことだ(2016年11月29日時点)。
Xperia Earのコンセプトや主な機能は、以前に掲載した記事「ソニーXperiaの『スマートイヤホン』は何が面白い?」でもお伝えしたが、その実力はどうだろうか。実際の使い勝手を検証するとともに、開発者の声から製品の秘密を探る。
グーグルやSiriと何が違う?
改めてXperia Earの基本的な機能を紹介しよう。片耳タイプのBluetoothヘッドセットをベースに、スマホの専用アプリと組み合わせることで、「耳」や「声」を中心としたさまざまな機能に対応している。
例えば天気やスケジュール、最新ニュースを読み上げてくれ、その内容を耳で確認できる。また、グーグルアプリの音声操作やiPhoneのSiriにはない強みとして、LINEやSNSのメッセージ内容を読み上げてくれたり声で返信できる機能がある。さらに、ユーザーが操作せずともXperia Earが自発的に情報を教えてくれる秘書的な機能も特徴だ。このあたりは後で詳しく説明する。
製品イメージとしては、スマートウォッチの「イヤホン版」といったところ。両手がふさがっていたり、画面が見づらいシチュエーションでは、スマートウォッチ以上の使い勝手を発揮する。出勤・通学での移動中や、庭や倉庫での作業中などにも役立つだろう。もちろん、デスクワークや家事の最中に使っても便利だ。
開発者のひとりであるソニーモバイルコミュニケーションズの青山龍氏によれば、「スマホでの通話利用が減っている」という現状がポイントだそうだ。そのため、Xperia Earは「メッセージを耳で聞いて言葉で返信するコミュニケーションスタイル」をコンセプトに開発されたという。
小さいが落ちにくい
本体デザインは、全体的にすっきりしており、サイズ感もヘッドセットとしてはかなり小型の部類だ。ボタンやLEDは1つずつしか搭載せず、シンプルにまとまっている。
装着感は、男性の筆者の耳だとすっぽり収まる感じ。安定感があり、すぐに落ちてしまうような不安定さは感じなかった。また付属のイヤーピースとアークサポーターで調整できる。筆者の場合、アークサポーターがあれば小走り程度でも問題なかった。
Xperia Earの連続通話時間は約4時間、待受時間は約80時間。専用ケースは約12時間分(満充電3回分)のバッテリーを内蔵し、収納時に自動で充電してくれる。なお、Xperia Earには電源がなく、ケースから取り出すと自動的に電源がONになりペアリングする。逆に、収納すると自動でOFFになる。ペアリングはスムーズで、取り出して耳に着けるぐらいの時間で完了する。