2018年春までに通信速度は回復するか?

 ネットワークの実力を知るためのRBB SPEED TESTによる結果からは、2017年1月~3月の間に、各社の速度が低下している様子が読み取れた。気がかりなのは、2017年10月に実施した直近の測定で、多くの格安SIMが16年9月の水準に達していないことだ。

 年度が替わる3月から4月にかけては生活が変化する時期でもあり、このタイミングに合わせてスマホを購入しようと考えている人もいるだろう。各社の通信速度が1年前の水準を下回ったままで2018年の春先を迎えれば、2017年の同時期よりもさらに通信速度が遅くなる可能性もある。

 そうなれば、ユーザーの利便性が損なわれるのはもちろん、速度が低下した格安SIMや、市場全体のイメージも低下しかねない。この2~3カ月でどこまで通信環境を改善できるかが、2018年の格安SIM市場を占う上でひとつのポイントとなるだろう。

 明るい兆しもある。例えば、OCN モバイル ONEは2017年の5月と9月にデータの送受信を制御する施策を相次いで取り入れているが、その効果もあってか、YouTubeの動画再生をはじめとした実利用環境はこの1年間で大きく改善されている。

 また、BIGLOBEモバイルも17年8月から10月にかけての改善が目覚ましい。半年もたてば勢力図ががらりと変わってしまうところに、競争の激しさが垣間見える。

 次の1年間で、格安SIMの通信品質はどのように変化するのだろう。日経トレンディネットでは、今後も引き続き通信速度をチェックし、格安SIMサービスの実態を明らかにしていきたい。

(文/松村武宏)