ローカルとクラウドを橋渡ししていく

――日本では発売されていませんが、デルは360度スピーカーも手掛けています。IoT時代になってくると、デルが手掛けるデバイスの幅はさらに広がっていくのでしょうか?

ボイド氏: 将来のコンピューティングのあり方ですが、まずローカルのデバイスだけでなく、クラウド、データセンターも含めてコンピューティングを考える必要があります。我々はそれらを橋渡しする最適解を求めていきます。ローカルで行うのが最適な作業もあれば、深いデータ分析などクラウドで行うのが最適な作業もあるでしょう。それぞれ得意・不得意があるので、それらを橋渡ししてトータルで最適な環境を提供する、これが我々の基本的な考えです。それはコンシューマー向けでもビジネス向けでも同じです。世界最大のストレージ機器開発企業であるEMCの買収もそうした考えに基づいています。

 スピーカーの場合は、ローカルやクラウドを問わずトータルに使える環境を提供するにはスピーカーが不可欠と考えて開発が決まりました。360度スピーカーを部屋の真ん中に置いておけば、360度どの方向からでも通話やビデオ会議、音楽鑑賞などに利用できます。Blutooth接続でパソコンでもスマートフォンでも利用できます。今や、エンターテインメントをパソコンやスマートフォンで消費している人が大勢います。パソコンで動画や映画を見る、音楽聴く、その合間にSkypeを使って会議をするといったことが当たり前になってきました。そうした用途に対応できます。高い音質で、コンシューマー用途でもビジネス用途でも横断的に使えるようにとデザインにしたんです。

丸い形が特徴の360度スピーカー「Dell Wireless 360 Speaker System AE715」。日本では発売されていないが、2017年度グッドデザイン賞を受賞している
丸い形が特徴の360度スピーカー「Dell Wireless 360 Speaker System AE715」。日本では発売されていないが、2017年度グッドデザイン賞を受賞している
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――10年先のパソコンのデザインはどうなっていくのでしょう?

ボイド氏: これまでのコンピューティングの歩みは3つの波に分けられるでしょう。まず最初の波は巨大なメインフレームの時代です。2つめの波はパソコン、スマートフォン、タブレットがそろった現在の状況です。個人がそれぞれ自分のデバイスを持ち、それぞれの中にデータをもっています。

 これから来る第3の波は、テクノロジーが生活や仕事全般に今日以上に浸透し、生活を豊かにしたり、仕事の生産性を高めるのに役立ったり、コミュニケーションやコラボレーションを促進するようになります。AI(人工知能)によりニーズを予測して対応するなど、これまでできなかったことができるようになります。機械学習やクラウドと連携したビッグデータ分析により、これまでより良い結果を導き出すことでできるようになるでしょう。

 我々はそうした流れを見越して研究開発しています。目の前の問題は、個人がさまざまなデバイスを持ち、データが各デバイスに散らばっていることです。それぞれのデバイスを細かく操作しないと思い通りの結果が得られません。デバイスがより賢くなり、ユーザーインターフェースの統合などにより、こうした問題を解決していくことがまず第一でしょう。

XPS13 2-in-1を手にするボイド氏。ユーザーニーズがどこにあるのかを常に大事にしているという
XPS13 2-in-1を手にするボイド氏。ユーザーニーズがどこにあるのかを常に大事にしているという
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(文/湯浅英夫、写真/シバタススム)