国ごとに情報収集を徹底的に行う

――米国と日本と欧州など、国ごとに好まれるデザインの傾向は違うと思います。ワールドワイドで製品を提供しているデルでは、そうした国による好みの違いをどう吸収したり、製品に反映させたりしているのでしょうか。

ボイド氏: 国や市場によって求められるものは違ってきます。そのため我々は、コンシューマー向け・法人向けを問わず、ユーザーが何を求めているかという情報収集を国ごとにしっかり行います。そして実際の製品をデザインするときに、市場を問わず共通して盛り込む仕様や、特定の市場にのみ設定する仕様を、情報に基づいて選択しています。

 XPS 2-in-1がグッドデザイン賞を受賞しましたが、このXPSシリーズは、実は研究開発段階から日本のユーザーの声がかなり反映されている製品です。薄型軽量であること、ディスプレーサイズはそのままでなるべく小型にすること、小型だけどバッテリー駆動時間は長くないといけませんし、使い心地のいいキーボードも求められます。日本はあらゆる意味で製品への要求が厳しく、妥協が許されない市場です。そうした厳しい要望を反映して作られたのがXPSシリーズなのです。

 他の国のモバイルパソコンでは、たとえば中国では薄型軽量のものが好まれます。日本に近いと言えるでしょう。米国ではキックスタンドがついたタブレットタイプの製品が人気でしたが、XPS 2-in-1のような360度回転するタイプの人気が上がってきました。

2017年度グッドデザイン賞を受賞した製品のひとつ、13.3型2in1デバイス「XPS 2-in-1」。ディスプレー部分が360度回転してタブレット型に変形する
2017年度グッドデザイン賞を受賞した製品のひとつ、13.3型2in1デバイス「XPS 2-in-1」。ディスプレー部分が360度回転してタブレット型に変形する
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――XPSシリーズは、ディスプレーの周囲を狭くした狭額縁デザインが斬新でした。これはどうやって開発されたものだったのですか。

ボイド氏: 最初のXPSの開発には数年かかりました。ユーザーが求めるモバイル性を高めるため小型化したいが、ディスプレーの表示領域は小さくしたくない。そこでディスプレーの周囲の部分をそぎ落とすデザインになったわけです。ユーザーが求める没入感を高めるために、画質も妥協しませんでした。シャープとの共同開発で、色の再現度、色域、解像度などにもこだわりました。