AbemaTVならではの取り組みが多数

 72時間ホンネテレビでも、地上波に比べて自由度が高いAbemaTVだからこその取り組みは多数あった。加えて、元SMAPの3人の人脈や知名度も生かしたコンテンツになっていたと思う。

 番組開始直後から、矢沢永吉のビデオメッセージが流れたり、きゃりーぱみゅぱみゅや山田孝之、市川海老蔵、堺正章、亀田興毅など、著名なゲストが続々登場した。森脇健児、キャイ~ン、山本耕史、三谷幸喜、佐藤浩市など、ゆかりの深い人々も多く出演していた。一方で、SMAPを脱退して以来、テレビ放送でのメンバーとの共演がなかったオートレーサーの森且行に3人が会いに行き、これまでのことを語らうシーンを数時間、ノーカットで流すといった企画など、AbemaTVだからこそ実現できたものとも言えそうだ。

72時間ホンネテレビで、3人が21年ぶりに森くんと再会した場面(写真はAbemaビデオから)。このとき「森くん」というワードがなんと、トレンド世界1位になっていた…
72時間ホンネテレビで、3人が21年ぶりに森くんと再会した場面(写真はAbemaビデオから)。このとき「森くん」というワードがなんと、トレンド世界1位になっていた…
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 72時間に及んだライブ配信だが、実はこの間、筆者が一番心配していたのがサーバーのダウンだった。実際に今年の初夏に放送された「AbemaTV1周年記念企画『亀田興毅に勝ったら1000万』」では、放送直前にアクセスが集中し、サーバーがダウンした。今回は、国民的アイドルという知名度や話題性、ファン層の広さ、長時間にわたる放送、などの要素から、1周年のときよりもはるかに多いアクセスが集中する可能性を想定し、何度かはサーバーが落ちるかなと思っていた。なので、今回、サーバーが一度も落ちなかったのには驚いた。これには、サイバーエージェントの藤田晋社長も自身のTwitterアカウントで、「国内の過去最高同時視聴数を記録したにも関わらず、3日間1度もサーバーを落とさなかったうちのエンジニアも褒めてください。よく頑張った!」とツイートしているくらいだ。

 72時間ホンネテレビを見たことをきっかけに、今後、AbemaTVを見る人も増えるだろう。当初こそ、実験的な番組が多かったAbemaTVのオリジナル番組だが、最近はだんだんクオリティーも上がってきているし、インターネットテレビという特性を生かそうという姿勢も大いに感じられて、見ていて楽しい。筆者としては、72時間ホンネテレビ以外にも面白いコンテンツがたくさんあるので、視聴をお勧めしたい。

 一方で、いつも気になるのが、AbemaTVが採算がとれているのかだ。サイバーエージェントの2017年通期決算を見ると、AbemaTVを含むメディア事業は、売上高が256億円で前年比17%増だが、営業損益は185億円減、そのうちAbemaTVなどは209億円減と大きな赤字になっているのだ。既にテレビ放送よりもAbemaTVを見ている時間が長くなった筆者としてはやや心配だ。ただ、現在はAbemaTVへの投資期と位置づけており、2018年度も引き続きAbemaTVへの投資を強化するとしている。AbemaTVならではの番組を作って新たなメディアとして定着してくれることを期待している。

(文/青木恵美)