化粧品ブランドと潜在顧客との出会いの場に

 YouCam メイクとコラボする化粧品ブランドが狙うのは、新規顧客との出会いだ。「YouCam メイクには多数のブランドが集まっている。ユーザーはアプリのコンテンツをぐるぐる回遊する中で、今まで使ったことがない新しいブランドと出会うきっかけになる」(中川氏)。

 化粧品ブランドがこうした新規顧客との出会いを求める背景には、今の化粧品業界の課題が隠れているのだという。それは、若い人が百貨店の化粧品売り場に来ないことだ。

 かつて、化粧品ブランドの営業の最前線は、各ブランドが設ける接客カウンターだった。高級ブランドならば、高級感や特別感を売りにして、顧客を囲い込んでいた。だが、今の若い世代はそういった特別感を敬遠する傾向がある。

 そんな中で、「今の化粧品メーカーの課題は、いかに若い女性の『マインドシェア』をとるかだ」と磯崎氏。磯崎氏によると、女性のメーク市場は2020年までに7%減るといわれている。数年後、今の20代が購買力をつけたときに憧れのブランドとしていられるかは、各化粧品ブランドにとって重要なのだ。

 若い女性でも気軽に立ち寄れるよう、自由にサンプルを試せるセミセルフの業態を取り入れる高級ブランドも出てきているが、自宅にいながら新製品を好きなだけ試せるYouCam メイクならば一層カジュアルだろう。「例えば、あるブランドから30色のリップが発売となったとき、すべてを店頭で試すのは難しい。でも、アプリを使って自分の顔で試し、ある程度絞り込んでから店頭に行けば選びやすくなる」(中川氏)。製品によってはYouCam メイクアプリから通販サイトにアクセスし、そのまま購入することもできる。いくつも試せるからこそ、2個買い、3個買いする人も多いという。

 一方のメーカーにとっては、マーケティングツールとしてのメリットも大きい。YouCam メイクではユーザーが試した商品や色のデータをビッグデータとして蓄積している。そのデータから、ユーザーの人気の傾向が分かるからだ。

パーフェクトの磯崎順信社長(右)、ビジネス デベロップメント マネージャーの中川良子氏(左)
パーフェクトの磯崎順信社長(右)、ビジネス デベロップメント マネージャーの中川良子氏(左)
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