有名ブランドとのコラボで人気を拡大
YouCam メイクの大きな特徴は、化粧品ブランドとのコラボレーションだ。2015年のレブロンを皮切りに、現在は資生堂の「MAQuillAGE」(マキアージュ)や「MAJOLICA MAJORCA」(マジョリカ マジョルカ)、花王の「AUBE couture」(オーブ クチュール)、イヴ・サンローラン・ボーテやジル スチュアートなど、マスカラ、ネイル、カラーコンタクトまで含めると国内26ブランドがYouCam メイクに参加している。
You Camメイクをリリースした当初は、自撮りアプリということで、自社でつくったメークのパターンだけを用意していたというが、リリース後1年で10ほどのブランドとのコラボが決まった。今では、人気ブランドの新製品をバーチャルに試せるという用途で存在感を発揮し始めている。
コラボでは、各ブランドから新製品のサンプルをもらい、パーフェクトのデザイナーがそのブランドのメークが画面上で再現されるように色味を調整してメークパターンを作成する。そうしてつくったメークパターンを一人ひとり違った顔にのせるには、サイバーリンクが開発したセキュリティー用の顔認証技術を応用している。100カ所を超えるキーポイントで顔のパーツを認識し、眉毛よりもアイシャドーがはみ出すことがないようになどコントロールしている。
女性ならよく分かると思うが、国や地域、ブランド、シーズンによってメークのトレンドは全然違う。例えば、北米ならセレブ風メーク、韓国ならオルチャンメークなどが人気だ。日本ではふんわりと女の子らしいメークが人気だが、これは特にチークを入れる位置が独特なのだとか。アイシャドーをぼかす位置、アイラインをのばす長さなども異なってくる。このため、メークパターンをつくる際は、ブランドと密にコミュニケーションをとり、色を入れる座標を調整していくそうだ。ただ、「今は、設定の蓄積がある。完全に一からではなく、ある程度近いメークパターンを基に調整することで、季節ごとの新色にも速やかに対応できるようになった」(磯崎氏)。