PCソフトの画像処理技術を無料のアプリに投入

 You Camメイクは、カメラに映った顔を自動で認識してメークを施せる。昨今、LINEのグループ会社であるSNOWが開発した「SNOW(スノー)」など、顔を認識してスタンプやフィルターを重ねられるカメラアプリが流行しているが、YouCam メイクは「いかにも合成」という感じがなく、自然な感じでメークの色が重ねられる(関連記事:なぜ自撮りSNSが「50代男性」にヒットしているのか?)。現実世界の映像に対して付加するという意味では、AR(拡張現実)の一種としても面白い。

バーチャルメークアプリが20代女性に人気のワケ(画像)
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インカメラに自分の顔を写し、リアルタイムでメークできる。分かりやすいように派手めのメークを施してみた。左がメーク前、中がガッツリメークの「クレオ」、右がアジア風。いずれも加工は自然だ

 そもそも、YouCam メイクはどのようにして成長してきたのか。「親会社である台湾のサイバーリンクは、日本でも『PhotoDirector』や『PowerDirector』などパソコン用の画像編集ソフトで知られている会社。サイバーリンクとして20年間培った画像処理技術を、モバイル分野でも生かそうとしたのが企画の始まり」と磯崎氏は言う。

 ちょうど「Instagram」などのSNSで“自撮り(セルフィー)”の文化が盛り上がってきたことに目をつけ、サイバーリンクが持っていたゴミや傷の除去機能、美顔・美肌機能をスマホアプリ用にパッケージし直した。そうして2014年3月に第一弾となるカメラアプリ「YouCam Perfect」をリリース。「あくまでも模索の過程だったので、そこまで期待していなかったが、これが思いのほかヒットした」(磯崎氏)。

 時期を同じくして、スマホアプリの市場では自撮り写真にメークを施すバーチャルメークアプリが登場していた。だが、磯崎氏たちがそれらを見たとき、合成独特の「ペタッと感」があり、自然に感じられなかったという。

 「当社ならもっと徹底的に自然にできる」(磯崎氏)ということで、同年の2014年8月に今度はYouCam メイクをリリース。これもまた予想を上回るヒットとなる。「サイバーリンクの製品のメインユーザーは“アキバ系”を中心としたパソコンに詳しい男性。これに対して、YouCam メイクのユーザーは、F1層(20~34歳の女性)が中心」(磯崎氏)。実に6割が24歳以下だという。ベースの画像処理技術はサイバーリンクの製品と共通だが、ターゲットは180度異なる新しい市場の開拓に成功した。これを機に、サイバーリンクから分社化し、パーフェクトになったのだそうだ。