音声入力との組み合わせでもっと便利になる

 実際に、b.g.を着用させてもらった。b.g.はメガネのレンズの下側にディスプレーが取り付けられており、視線を正面に向けると外の景色が、視線を少し落とすとディスプレーの情報が見えるようになっている。b.g.のノンシースルー型ディスプレーは、ディスプレーの情報と現実の景色が重ならないので、文字などが鮮明だ。実際の景色とディスプレーの情報が重なって見えるシースルー型と比べると、視線を動かして見るものを切り替える必要はあるものの、ディスプレーの情報は別次元の見やすさだ。メガネの範囲内でスマートフォンの画面を見ている感覚と言えばいいだろうか。

 「シースルータイプだと、文字などを表示した場合、景色と重なると非常に読みにくくなる。また、細かい文字や画像を見ながら作業しようとすると、解像度が高くないとよく見えない。こうした問題がノンシースルーで解像度の高いb.g.では解決できる」(座安社長)。

 産業用途でマニュアルなどを表示して使うときは、b.g.のようなノンシースルー型が現実的だ。表示情報の鮮明さが求められる医療分野や、CADデータを扱う分野などでも強みを発揮できると自信を示す。

 人間の目では「見えない」ものを可視化することにも挑戦したいという。一例がサーモグラフィーだ。熱は肉眼では見えないが、サーモグラフィーで事前に察知できれば、工場や研究所で機器の異常による加熱を事前に察知し、危険を回避できる。センサーで収集した情報を見ながら作業するといったことも可能だ。

農業などでの利用も想定している(メガネスーパーの動画より)
農業などでの利用も想定している(メガネスーパーの動画より)
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農場の各地に取り付けたセンサーの情報などをb.g.の画面に表示して確認しながら作業するイメージだ(メガネスーパーの動画より)
農場の各地に取り付けたセンサーの情報などをb.g.の画面に表示して確認しながら作業するイメージだ(メガネスーパーの動画より)
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 今後、注目しているのは、音声入力技術との組み合わせだ。検査や設備点検などでメガネ型デバイスを使うユーザーには、前述のように表示が鮮明で見やすいことがまず評価されている。そして将来的には音声入力と組み合わせて、ハンズフリーで作業できるようになることが期待されているという。

 これまで情報を見たり入力したりするためには、タブレットなどの機材が必要だった。だが、情報を見ることはb.g.のようなメガネ型デバイスで受け持ち、情報の入力は音声でできるようになれば、タブレットは不要になる。食品メーカーや精密機器メーカーのクリーンルーム、工場などでは、作業効率や安全性、セキュリティーの問題から手に触れるものを極力減らすことが求められるため、ハンズフリーの需要は大きく、ビジネスチャンスがあると見る。

「メガネ型デバイスと音声入力は非常に相性がいい。人間のインターフェースが視覚中心なのはこれからも変わらないが、入力は音声が伸びていくだろう。これから数年で大きな変革がやってくる」(座安社長)と予測する。