できることが広がるScratch 3.0

――新しいテクノロジーということでは、今回のScratch Conferenceで新バージョンのScratch 3.0が大きな注目を集めました。改めて、Scratch 3.0の特徴と狙いを教えてください。

写真2●開発中のScratch 3.0の画面
写真2●開発中のScratch 3.0の画面
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レズニック氏:Scratchの新バージョンについては、「どうやって作るか、何を作るか、どこで作るか」を拡張するアップデートであると、私たちは言っています。

 「どうやって」については、動画によるチュートリアルを準備中で、このチュートリアルがScratchのさまざまな使い方をガイドします。「何を作るか」はScratch 3.0で新たに設けられた拡張機能を使うことによって、今まで作れなかったものが作れます。「どこで作るか」は、マルチデバイス対応です。(パソコンだけでなく)タブレットでも作れるようになります(Scratch 3.0の機能については関連記事その3を参照)。

――Scratch 2.0の作品は、3.0でも使えますか。

レズニック氏:はい、使えます。今までのプラットフォームで作られたプロジェクトがきちんと動くように、というのは一番気を付けていることです。

――安心しました。Scratch 2.0のオンライン版は、3.0が正式公開されると使えなくなるのでしょうか。また、Scratch 3.0のオフライン版はいかがでしょう。

レズニック氏:Scratch 3.0が正式公開されると、Scratch 2.0のオンライン版は使えなくなります。ただし、Scratch 2.0のオフライン版は引き続きダウンロード可能で、使えます。

――前回のScratch Conferenceでは、現在のバーティカル・グラマー(縦書きの文法)に加えてホリゾンタル・グラマー(横書きの文法)をサポートするとされていましたね。これについてはいかがでしょう(関連記事その4)。

レズニック氏:縦書きと横書きを変更しやすいような内部構造を採用します。ただ、ブロックにテキストを入れる場合を考えると、ブロックが縦につながる縦書きの方が適しています(編注:ブロックにテキストを入れると、横に長くなるため)。そうではない、アイコン化されたブロックの場合には、横書きの方が特に小さな子どもにとって使いやすいでしょう。

 今、ScratchJrの新バージョンを検討していて、そこでは現行バージョンのように横書きになる見通しです。ただ、縦書きにもできるようにすることを検討中です。新バージョンのScratchJrでは、Scratch 3.0と同じテクノロジーを採用する予定です。そのため、ScratchJrの新バージョンで作った作品をScratch 3.0に読み込んで使える、といったことができたらいいなと考えています。まだ構想段階ですが。

――Scratch 3.0では、「スクリプト」タブが「コード」タブという名前に変わりました。これは大きな変化だと思います。日本でコードという言葉は、専門の人以外には、あまりなじみがないと思います。変更した理由を教えてください。

レズニック氏:現在は「コード」の方が「スクリプト」よりも、子どもたちにとってなじみのある言葉だと考えたからです。10年前ならコードという言葉を使わなかったと思います。英語圏においてコードという言葉は、以前はとてもテクニカルな用語だと捉えられていましたが、この10年のあいだに、子どもたちにとってもとても一般的な言葉になりました。なじみのある言葉、親しみのある言葉を使うのは大事なことだと考えています。

Scratchは創造的に学ぶためのツールだ(画像)
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■変更履歴
初出では「マシンが生成するものという捉え方が強く、あまりなじみがないと思います」と記載しましたが、「日本でコードという言葉は、専門の人以外には、あまりなじみがないと思います」に修正しました。