9月21~24日まで、千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2017。国内外のゲーム関連企業が出展するアジア最大級の同イベントは、ゲーム業界の今を占う上でも重要なイベントだ。長年、ゲームショウを見てきたライター3人が、それぞれの視点で今年のゲームショウを総括する。今回は稲垣宗彦氏。
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今年も9月21~23日の3日間、東京ゲームショウ会場を取材した。日経トレンディネット速報サイトでは、複数のライターが会場内の各ブースを手分けして取材する。そんな状況だから、ライターやカメラマン同士の情報交換はとても大事だ。注目すべきステージイベントや出展ゲーム、ユニークな販促グッズなど、“同僚”たちの口コミを頼りに話題のスポットをわずかな時間を利用して効率的に見て回るわけだ。
その情報交換の様相が今年は例年といささか違っていた。もちろん期待の超大作などは話題に上ったものの、「あのブースにこんな面白いものがあったよ!」など、多くの人を巻き込む「ゲーム以外の盛り上がり」が、ほとんどなかったのだ。取材の合間に自分で会場内を一通り歩き回ってみて、その理由が分かった。今年のゲームショウでは、来場者参加型のユニークなコーナーを用意したブースが、ほとんど見られなかったのである。
例えば、2015年のコーエーテクモゲームスのブースには、「進撃の巨人」の超大型巨人に自分の顔を合成した記念写真を撮影してもらえるコーナー「進撃の自分」が、2016年のKONAMIブースには、360度全方位からのバレット撮影をしてくれる「ポッピングフラッシュ」があった。(関連記事:今冬に来る進撃の巨人を待ちながら、顔を捧げて巨人になってみよう!【東京ゲームショウ 2015】、KONAMIブース「ポッピングフラッシュ」コーナーが人気【TGS2016】))。
こういうコーナーは、ゲームを直接知らない来場者も参加して楽しめるのがいいところだ。単に筆者が見落としているだけ、という可能性はあるにしても、今年、こういった来場者参加型のコーナーで目に付いたのは、女性向けゲームを集めた「ロマンスゲームコーナー」(ホール3)と、小中学生限定の「ファミリーゲームパーク」(ホール1)くらいだったのではないか。