任天堂「Switch」を呼び水にした、据え置きゲーム機の復権

 そんな“質実剛健”を象徴していたのが、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStation(PS)ブースだろう。PS4の大作ソフトをズラリと並べ、さらにはPS VRのタイトルも拡充。「能書きは不要。とにかく高性能なゲーム機による映像を堪能してください」と主張するかのようなブース構成だった。携帯ゲーム機であるPS Vitaの存在感すら、ほとんど感じられないものになっていた。

現在の王者として、大量のソフトを用意してきたPlayStationブース。質・量ともに存在感は圧倒的だった(写真/赤坂麻実)
現在の王者として、大量のソフトを用意してきたPlayStationブース。質・量ともに存在感は圧倒的だった(写真/赤坂麻実)
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 これは他社ブースも同様だ。多くのメーカーが、据え置きゲーム機で大画面を楽しむタイプのゲームを多く並べていた。去年までは多くのタイトルが用意されていたニンテンドー3DS用タイトルの展示には力を入れず、スマホゲームコーナーも、極めて小さくなっていた。

 このような変化をもたらした要因のひとつが、Nintendo Switchの存在だろう。3月に発売されて以降、半年にわたって全世界で極度の品薄状態が続くという人気ぶり。任天堂が7月に公表した決算短信によると、全世界出荷台数は470万台に達した。その結果、2017年という年は、近年では珍しいほど、ゲームファンが据え置きゲーム機に注目する1年になったといっていい。

 だからこそ、PS陣営としては、既に全世界6000万台の普及を達成しているPS4用のタイトルを大々的に押し出したのかもしれない。一般的な話題はNintendo Switchに持っていかれているものの、販売台数を見ても、現在の“王者”はPS4。ゲームファン向けの“硬派”なブース構成で、Nintendo Switchという最強の挑戦者を正面から受けて立った。そして他のメーカーも、歩調を合わせるように据え置きゲーム機用ソフトの展示に注力していたように思われる。