LED電球とBluetoothスピーカーの融合。そんな斜め上の発想からソニーが生み出したLED電球スピーカーの新モデル「LSPX-103E26」(実売価格2万5000円前後)が、好調な売れ行きを見せている。2016年夏には一時売り切れ状態になっていたほどの人気ぶりだ。
一般的なAV製品とはかなり毛色の異なる製品ながら、なぜここまで人気になったのだろうか?
光の色を自由に変えられる
LSPX-103E26は、「明かりと音楽が一緒になった新体験を提供する」というコンセプトで開発された前モデル「LSPX-100E26J」の後継機。空間が持つ価値を生かしながら新しい体験を生み出すソニー「Life Space UX」シリーズの製品で、ポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」(関連記事は「注文殺到で品切れに! ソニーの『画期的』小型プロジェクターを使ってみた」)やグラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」なども同シリーズの製品となっている。
最大の特徴は、一般的な電球と同じE26口金(市販の変換コネクターを使えばE17口金にも装着可能)のソケットに取り付けて照明として利用できるとともに、そのままBluetoothスピーカーとして音楽も楽しめるということ。通常のLED電球とほぼ同等のサイズ感やデザインを踏襲しつつ、新モデルではさまざまな改良を施し、明るさと音質を向上した。
新機能として、LEDの光の色を自由に変更できるカラー点灯機能、ウェイクアップタイマー機能、スマホの着信お知らせ機能、2台利用で音がステレオになるモードなどに対応。前モデルを改良しただけでなく、幅広い新機能を追加しているのがポイントだ。
小さな組織で開発
開発したソニー TS事業準備室 3Project エレクトリックテクニカルマネジャーの四本直樹氏によれば、2015年に発売された前モデルのLSPX-100E26Jは、ソニーが初めて開発した照明器具ということもあり「LED電球としてのデザイン性に注力した」。これに対して新モデルのLSPX-103E26は「より実用性を高める方向で開発した。とくに機能面では、前モデルのユーザーから寄せられた意見に極力対応した」(四本氏)という。
前モデルは、LED電球とスピーカーを合体させるという尖った製品ながら、電球のソケットに付けるため電源の心配がなく場所を取らないことがユーザーに支持され、売れ行きが想定以上に好調。そのため、わずか1年で後継機を発売できた。また「Life Space UXの製品を生み出している部署が社長直轄の小さい組織だったからこそ、スピーディーな意思決定ができた」(四本氏)という背景も後継機開発に大きく影響している。