東京ゲームショウ2017最終日の9月24日、会場内のe-Sports X(クロス)ステージでは、「ストリートファイターV 昇龍拳(SHORYUKEN)トーナメント」と題した『ストリートファイターV』(カプコン)の競技大会が開催された。優勝は100万円、準優勝は50万円の賞金が用意され、日本、米国、シンガポール、台湾など各国から招待された8名の選手が出場し、3時間にも及ぶ熱戦を繰り広げた。会場は開場直後に満席となり、かなりの立ち見も出る盛況ぶり。あふれんばかりの観客が押し寄せ、近年のeスポーツ人気の盛り上がりがうかがえた。

今回は8人の招待選手が招かれた。左からボンちゃん選手(日本)、ふ~ど選手(日本)、ネモ選手(日本)、ときど選手(日本)、GamerBee選手(台湾)、NuckleDu選手(米国)、Snake Eyez選手(米国)、Xian選手(シンガポール)
今回は8人の招待選手が招かれた。左からボンちゃん選手(日本)、ふ~ど選手(日本)、ネモ選手(日本)、ときど選手(日本)、GamerBee選手(台湾)、NuckleDu選手(米国)、Snake Eyez選手(米国)、Xian選手(シンガポール)
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大会の進行役として、大の格闘ゲーム好きとして知られるモデルの椿彩奈さんや、格闘技好きで格闘技番組の解説もしている関根勤さんさんなどが登場し、対戦にコメントを添えていた
大会の進行役として、大の格闘ゲーム好きとして知られるモデルの椿彩奈さんや、格闘技好きで格闘技番組の解説もしている関根勤さんさんなどが登場し、対戦にコメントを添えていた
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 『ストリートファイターV』は、格闘ゲーム人気の火付け役ともいわれる対戦格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズの最新作。PlayStation 4とWindows向けに2016年に発売された。

 「ストリートファイター」シリーズの基本的な操作方法は、シリーズ2作目で大ヒットした『ストリートファイターII』から大きく変わっていない。「弱」「中」「強」の3段階で技の強弱が割り振られた計6つのパンチボタンやキックボタンと、方向キーによってキャラクターを操る。方向キーとパンチボタン、キックボタンを組み合わせると必殺技を繰り出し、相手に大きなダメージを与えられる。

 弱い技は素早く出せるが、相手へのダメージが小さい。強い技は隙が出るが、当たれば相手へのダメージが大きい。相手の攻撃してくるときに相手がいる向きと逆方向の方向キーを押せば防御になるため、敵の技を防御で防ぎ、その隙を突いて攻撃することで戦いの流れを変えることもできる。技と防御の駆け引きは、一瞬の判断でしなければならず、相当な反射神経が必要となる。駆け引きを瞬時に判断し、コントローラーを操作しキャラクターを動かすプロゲーマーの反射神経は、ほかのプロスポーツ選手並かそれ以上ともいわれる。

 格闘ゲームは、相手の体力ゲージを完全に無くすか、タイムアップした時点で体力ゲージが多く残っているプレーヤーが勝ちとなる。「ストリートファイターV 昇龍拳(SHORYUKEN)トーナメント」では、それを3ラウンド制で戦い、先に2ラウンドに勝利した選手が1セット先取となる。今回の大会では、1回戦は2セット先取、準決勝以降は3セット先取したほうが勝者というルールで開催された。

中央にプレイ台を設置し、選手は向かい合って座って対戦する。試合の様子はスクリーンに大きく映される
中央にプレイ台を設置し、選手は向かい合って座って対戦する。試合の様子はスクリーンに大きく映される
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対戦方法は観客の投票で決定

 今大会の出場選手は米国のSnake Eyez選手、NuckleDu選手、シンガポールのXian選手、台湾のGamerBee選手という海外の4選手に加え、ときど選手、ボンちゃん選手、ネモ選手、ふ~ど選手といった日本の4選手が招待された。いずれも、世界で活躍するトップゲームプレーヤーである。特に、今年7月に米国のラスベガスで開催された世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO2017」のストリートファイターV部門で優勝した、ときど選手が注目されており、登場したときの歓声は人一倍大きかった。

客席は自由席だが、開場後にすぐに満席になるほどの人気。立ち見も多かったことからeスポーツ人気がうかがえる。対戦ごとに大きな歓声で沸いていた
客席は自由席だが、開場後にすぐに満席になるほどの人気。立ち見も多かったことからeスポーツ人気がうかがえる。対戦ごとに大きな歓声で沸いていた
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 対戦方法は、観客が3つの案から投票する仕組み。会場ではエナジードリンク「レッドブル」が無料で配られ、その空き缶を投票場所のゴミ箱に入れると投票となる。トーナメント方法は、すべての選手がランダムにトーナメント表に組み込まれる「A案=組み合わせ完全フリー型」、1試合目は国内選手と海外選手が必ず対戦する「B案=1試合目 国内/海外マッチング」、国内選手と海外選手を2個のブロックに分け、その勝ち抜いた同士で決勝戦を戦う「C案=ブロック 国内/海外 ブロック分け型」の3種類から選べたが、観客の投票によってA案が選ばれた。その後、順番が書かれたくじを各選手が引き、番号順にトーナメント表を埋めていった。

 試合で使うコントローラーは選手が持ち込んだ物。日本はゲームセンターから格闘ゲームの対戦プレーがブームとなったためか、アーケードタイプのコントローラーを使うのが一般的という。今大会に出場した日本人選手4名は全員アーケードタイプのコントローラーを利用していた。逆に海外は日本ほどゲームセンター文化がないため、「パッド」と俗に言われる家庭用ゲーム機のコントローラーをそのまま使う選手が多いという。

 対戦を始める前に、各選手は自分が持ち込んだコントローラーのチェックを怠らない。キー設定画面を表示させ、方向キーや各ボタンが正しく機能するかを必ず確認する。その後、選手によっては試合を始める前に既に対戦を実施し、ウォーミングアップをしていた。試合前に道具の確認を怠らず、自身のコンディションを把握する姿勢は、プロスポーツ選手そのものだ。

対戦に使うコントローラーは各選手が持ち込んだ物。対戦前に方向キーやボタンが正しく動作するか、設定画面で入念にチェックする
対戦に使うコントローラーは各選手が持ち込んだ物。対戦前に方向キーやボタンが正しく動作するか、設定画面で入念にチェックする
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 大会は1回戦のXian選手とネモ選手の対戦から始まり、ネモ選手が2-0で勝利して準決勝に進出。次に両方ともパッドを使う珍しい対戦となったSnake Eyez選手とNuckleDu選手の対戦は、NuckleDu選手が2-1で勝利。台湾で絶大な人気を誇るというGamerBee選手と注目のときど選手の対戦は、ときど選手が2-0のストレート勝ち。1回戦最後の対戦はふ~ど選手とボンちゃん選手の日本人同士の戦いとなり、ボンちゃん選手が2-1で制した。

 準決勝の初戦は、ネモ選手とNuckleDu選手の対戦となり、ネモ選手が3-1で勝利。「よく一緒に練習する仲」という、ときど選手とボンちゃん選手の対戦は、ときど選手が3-1で勝利した。準決勝から3セット先取となり試合時間が長くなる。今回は、前のセットで負けたプレーヤーは次のセットでキャラクターチェンジをしてもいいというルールだったため、キャラクターチェンジ画面を表示させて、間合いを取り直す心理戦も見られた。

 決勝戦は日本人同士の戦いとなり、ネモ選手がときど選手を3-1で下し、100万円の優勝賞金と豪華なトロフィーなどを手にした。優勝したネモ選手には、会場から大きな声援が送られていた。

決勝戦はネモ選手(左)と、ときど選手(右)の対戦。使用キャラクターはネモ選手がユリアン、ときど選手が豪鬼となる
決勝戦はネモ選手(左)と、ときど選手(右)の対戦。使用キャラクターはネモ選手がユリアン、ときど選手が豪鬼となる
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ネモ選手がときど選手を3-1で下し優勝した。豪華な優勝トロフィーと賞金100万円、副賞のカップヌードル1年分を手にした
ネモ選手がときど選手を3-1で下し優勝した。豪華な優勝トロフィーと賞金100万円、副賞のカップヌードル1年分を手にした
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(文・写真/田代祥吾)