クリエーターに直接聞いてみたい作品が多い

 また、海外勢として、スペインや米国などから応募された3作品がノミネートされた。そのうち、「ベスト・アーツ・アワード」に選ばれたのが、オーストリアに拠点を置くゲーム開発会社Broken Rulesが開発した『Old Man's Journey』だ。

 『Old Man's Journey』は、1人の老人の旅をテーマにしたパズルゲーム。老人はパズルを解いて道を作り、旅を進めていく。旅の途中では老人が若かりしころの回想が映像として差し込まれ、老人の過去が徐々に明らかになっていくストーリーとなっている。

Broken Rulesの『Old Man's Journey』は芸術性を評価されて、「ベスト・アーツ・アワード」を受賞
Broken Rulesの『Old Man's Journey』は芸術性を評価されて、「ベスト・アーツ・アワード」を受賞
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 同ゲームはBroken Rulesの創業メンバーが結婚して、子供を持ち、仕事と私生活のバランスに悩む中で生まれた。同じような悩みを持つ人は世界中におり、そうした人生の苦労をテーマにすれば大きな共感を得られると考えたのが開発のきっかけだそうだ。このような世界観や、回想シーンの映像の美しさといった芸術性が評価されて、ベスト・アーツ・アワードの受賞となった。

 選考委員を務めたソニー・インタラクティブエンタテインメントのジャパンアジア戦略企画部ビジネスプランニング課の多田浩二課長は「今年はゲーム性自体が珍しいものは少なかった。一方で、実際にやってみるとパズルでありながら、ストーリーを重視するようなゲームもあるなど、クリエーターがなぜそうした表現をしたいと思ったのかを直接、聞いてみたい作品が多かった」と今年の傾向を振り返った。

受賞者と選考委員の面々、今年も大盛り上がりのうちに幕を下ろした
受賞者と選考委員の面々、今年も大盛り上がりのうちに幕を下ろした
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 最後に司会進行を務めたジャーナリストの新清士氏が「来年も遊びにきてくれますか?」と会場に問いかけると、一斉に同意のハンマーが鳴らされて、幕を下ろした。

そのほか受賞作品は以下の通り。

・ベスト・エクスペリメンタル・ゲーム・アワード:『Strange Telephone(HZ3 Software)』
・ベスト・テクノロジカル・アワード:『ACE OF SEAFOOD(Nussoft)』
・ベスト・ゲーム・デザイン・アワード:『Conga Master(Undercoders)』
・ベスト・アーツ・アワード:『Old Man's Journey(Broken Rules)』
・ベスト・プレゼンテーション・アワード:『EARTH DEFENSE SATELLITE(ニカイドウレンジ)』
・オーディエンス・アワード:『ACE OF SEAFOOD(Nussoft)』

(文/中村勇介=日経トレンディネット、写真/中村宏)