東京ゲームショウ2017の会場で、周りを気にせず、一心不乱にペンライトを振って、AKB48・柏木由紀さんのライブを楽しめる――「VR/ARコーナー」内にあるテレビ朝日メディアプレックスのブースで公開している『ポリフる』はそんなサービスだ。

 ポリフるはVR(仮想現実)を活用した新感覚の「音ゲー」だ。VRヘッドマウントディスプレイを身につけて、360度映像で広がる柏木さんのライブに参加しながら、リズムに合わせてペンライトを振ることでポイントが得られ、そのポイント数の合計を競い合う。「ライブ映像を見るだけのVRは増えているが、ライブの楽しさは曲に合わせて動くことにもある」(クリエイティブ事業部事業開発グループの坂井大輔氏)。そこで「全身でライブを楽しむ」ことをコンセプトに、実際のライブ映像を活用した没入型の音楽ゲームを開発した。

VRヘッドマウントディスプレイを身につけて、AKB48の柏木由紀さんのライブを楽しめる
VRヘッドマウントディスプレイを身につけて、AKB48の柏木由紀さんのライブを楽しめる
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 ゲームは、AKB48のヒット曲『フライングゲット』と『真夏のSounds good!』の2曲のうち、いずれかを選んで遊ぶ。両手に持ったコントローラーが、VRの映像上ではペンライトになる。プレーヤーは、VR内で最前という“神席”にスタンバイ。柏木さんが歌う映像に合わせて飛んでくる星やハートをペンライトで叩いたり、画面に表示された規定のポーズをしたりすることでポイントを得られる。

リズムに合わせてペンライトを振って、ポイントを稼ぐ
リズムに合わせてペンライトを振って、ポイントを稼ぐ
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カラオケボックスやゲーセンなどに

 「体験者が選ぶ楽曲の9割はフライングゲット」(テレビ朝日メディアプレックスクリエイティブ事業部事業開発グループライブ配信グループの芹澤匠氏)と、フライングゲットの人気が際立っているそうだ。HMDの先駆け「Oculus Rift」の発案者であり、米オキュラス創業者のパルマー・ラッキー氏まで電撃参戦。男性から女性まで、広く様々な層の来場者がペンライトを振って、柏木さんのライブを楽しんでいた。

左にいるのは、実は米オキュラス創業者のパルマー・ラッキー氏。なんと電撃参戦
左にいるのは、実は米オキュラス創業者のパルマー・ラッキー氏。なんと電撃参戦
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 テレビ朝日メディアプレックスはこれまでも、こうしたVRを活用した映像コンテンツの制作や配信を手掛けてきたが、活用範囲はそこまでに留まっていた。ポリフるは、そうした制作したコンテンツを活用した、新たな事業モデルを模索するために開発した。

 今後、映像コンテンツ、VRゴーグル、コントローラーをパッケージ化して、カラオケボックスやゲームセンターなどの商業施設を運営する会社に売り込んでいく。一方で、アーティスト側には新曲の発売などに併せて、映像制作とともにポリフるを設置した商業施設への映像配信を提案することで、楽曲のPRに活用してもらう。

 収益モデルは導入企業の要望に柔軟に応じる。サービスの利用料として商業施設から収益を得る、あるいは利用者数に応じて収益を分け合う(レベニューシェア)などを想定している。

(写真・文/中村勇介=日経トレンディネット)