森田氏は、「eスポーツが広まるためには、“選手ファースト”が大事。参加しやすく、楽しくて、モチベーションをもちやすい環境を作っていくことが我々の役割」と主張。

 また「ウイニングイレブン」シリーズがeスポーツのタイトルとして採用されていることについて、「eスポーツタイトルしての質の向上を目指したい。サッカーゲームなので、実際のサッカーの戦術などを知っている人が強いといったところまでゲーム性を持っていきたい。eスポーツの視聴者を増やすのは、一社では難しい。他のゲームタイトルホルダーといっしょに、オールジャパンとして盛り上げていきたい」と意欲を示した。

コナミデジタルエンタテインメントの「ウイニングイレブン」シリーズ制作部長 森田直樹氏
コナミデジタルエンタテインメントの「ウイニングイレブン」シリーズ制作部長 森田直樹氏
[画像のクリックで拡大表示]

 フォック氏はアジア競技会のデモンストレーション競技に採用されたことについて「マルチスポーツの大会にeスポーツが入る、非常に重要な一歩であり、一般の多くの人々の注目を集めた。YouTubeやTwitchなどストリーミングでのゲーム実況が盛んだが、これからは通常のテレビ放送にも広がっていくだろう」と、アジア大会を皮切りにしたこの先のビジョンを示した。

 日本代表が金メダルを獲得したことについては、「日本が金メダルを獲得したことは素晴らしい。金メダル獲得は人々の関心を集め、eスポーツの価値を高めて広げることにつながる。我々はアジアオリンピック委員会の協力も得ており、デモンストレーション競技としてスタートしたが、オリンピック競技になる価値がある」と期待を示した。

Asian Electric Sports Federation(AESF)会長 ケネス・フォック氏
Asian Electric Sports Federation(AESF)会長 ケネス・フォック氏
[画像のクリックで拡大表示]

 岩上氏は、リアルスポーツ側からの取り組みとして日本サッカー協会のeスポーツへの取り組みを紹介。「2016年11月にeスポーツの普及と発展に取り組むことを決定した。日本サッカー協会はさまざまな形のサッカーを対象にしていて、たとえばその中には、インクルーシブサッカーと呼ぶ障がい者サッカーもある。eスポーツは健全・非暴力で、さらに年齢や性別、障がいの有無などを問わないものであり、我々の理念に合致している」と話した。

 JeSU、茨城県、日本サッカー協会は、2019年茨城国体にあわせて「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」を開催。コナミデジタルエンタテインメントも協力し、『ウイニングイレブン 2019』を使った団体戦を行う。

 このことについて「我々の目的は、ゲームを通じて新たな層がサッカーを好きになってくれて、サッカーファミリーの拡大につながること。その具体的な動きのひとつだ。将来は、日本サッカー協会として日本代表を作っていきたい。指導者育成、ユースの育成、代表強化の三位一体と普及の体制を作っていきたい」と考えを示した。

日本サッカー協会副会長 岩上和道氏
日本サッカー協会副会長 岩上和道氏
[画像のクリックで拡大表示]

(文/湯浅英夫、写真/木村輝)