東京ゲームショウ2016は、ゲームで遊ぶだけでなく、ゲームを学べるプログラムもある。無料で参加できる、子供たちのためのゲーム授業「キッズクリエイタークラブ」では、小学生の児童を対象とした無料のゲームスクールが1日3クラス用意されている。
一般公開日の9月17日(土)に行われたのは「あなたもゲームプランナー!オリジナルステージを作ろう!」というクラス。この日の講師はビデオゲームの開発に多数携わっている東京工科大学の岸本好弘氏。18日(日)には「アクションゲームを作ろう!」というクラスが用意されている。いずれも90分間。
東京ゲームショウが開催されている幕張メッセの国際会議場に集まったのは、事前に申し込んだ小学生たち。ここは架空のとあるゲーム会社、という設定でクラスは進む。小学生たちには新作ゲームを面白くして、会社の倒産の危機を救え!というミッションが与えられる。
まずは参加者の緊張を解くため、ゲームに関する○×クイズから。ゲームに関する豆知識に子供たちは驚いたり、納得してみたり。
小学生たちは新作ゲームを面白くするミッションのために、自分の好きなゲームを発表し、なぜゲームが面白いのかをみんなで考えてみようということになった。ここで発表された面白いゲームの条件は「自分の成長が分かること」「大げさに褒められること」「いつでもヒーローになれること」。子供にも分かりやすく、思わず納得してしまうゲーム理論に、周囲で見守る保護者たちから「なるほど」という声が漏れる。
オリジナルのゲーム製作体験学習ソフトを使って、いよいよ実際にゲームを作ってみる。横スクロールアクションゲームを基に、ゴールや障害物を設定したり、アクションに応じて音楽を設定してみたりと、小学生たちは思い思いのゲームを作って楽しんでいた。子供たちの斬新な発想には周りで見ていた大人たちもびっくりした様子。最初は恥ずかしがっていた子供も、プレー時間になると大盛り上がりだった。
困ったときは先輩社員である大学生たちがフォローしてくれるので子供たちも安心した様子だ。作ったゲームをお互いにプレーしあって仲良くなった子供たちもいたよう。最後には使ったものと同じゲーム製作体験学習ソフトがプレゼントとして配られた。参加者の小学生の一人は「いろいろなゲームが作れて面白かった。ソフトをもらったので、家でもゲームを作りたい」と話していた。
日本FP協会の発表する「小学生の将来なりたい職業」調査で、2015年度は4位にゲーム製作関連がランクインするなど、いまやゲームクリエイターは子供たちが憧れる職業となっている。だが、ゲームで遊ぶ機会は数多くあっても、ゲームがどう作られているかを知る機会は意外と少ない。今回のゲームスクールのように、子供たちや保護者にゲームのことをより深く知ってもらう機会が増えれば、ゲーム業界の未来はさらに明るいものになるのかもしれない。
(文・写真/梅崎加菜)